「言葉だけで誠意のカケラもない人間」を見分けるには

中国古典「三略」で立派な管理職になる
石井 徹 プロフィール

5年たったら手遅れに

社長になるといい気分になるのでしょうが、いい部下かどうかがわからなくなるようです。

悪い部下はいいことしか言わなくなるのです。

 

1年2年ぐらいならばいいですが、これが5年以上になると取り返しがつかないことになるでしょう。

なぜなら、一所懸命仕事をする部下が育たなくなるからです。

「やれって言われたことをやっていればいいんでしょ」という雰囲気になってしまう。

中には仕事よりも、社長が出場するゴルフコンペの幹事を率先してやるような人間が出てきます。

こういう人はある意味、頭がよくて適応能力があるのかもしれません。

しかし周りの真面目な人たちにとっては迷惑な存在なのであります。

とにかく組織が一度そんな「空気」になったら並大抵の努力じゃ変わりません。

たとえ社長でなくても、部長や課長がそんな部下の言い訳を見抜けなければ、部とか課という小さな組織のレベルでも大変なことになります。

著:堀江一郎 まんが:十条アキ

働くフリがうまい人

実に巧妙に働くふりをする人もいます。

「ふり」だけで、実際には何もしていない人です。

これも私の経験をお話しましょう。

私たちは漫画屋ですから、本来は漫画を企画するのが仕事です。

でも、働くフリをする漫画編集者は、大物の担当を引き継ぎたがります。

大物漫画家のほうが、たいていの漫画編集者よりも圧倒的に頭もよくセンスもあり、努力もしているから、編集者ががんばって仕事をしなくても自然といい作品ができるのです(もちろん、大物を引き継いだあとに、さらに良い作品に仕上げていく立派な仕事をする編集者もいます)。

大物漫画家の連載をただ引き継いだだけ――こういう編集者は原稿運びをしているだけです。

しかし第三者には「あの作品はオレがつくった」などと吹聴するわけです。

困ったことに、第三者は現場の事情を知りませんから信じてしまう。

これが回り回って「あの人は仕事ができる」ということになってしまうのです。

このエピソードは、まんが「三略」にも登場させました。