知られざる日米交渉の裏側「トランプがシンゾーに仕掛けたドッキリ」

米現地からインサイドをリポート

米重要人物たちはトランプの「対中強硬路線」支持

今、本稿をニューヨークで書いている。ワシントンに5日間滞在した後、当地に移動した。

11月6日の中間選挙を控えた米国は現在、テレビも新聞も”政治一色”である。と同時に、政治の都であるワシントンも、そして金融の中心地のニューヨークは共に、現下の絶好調経済でお洒落なレストランはどこも満員。これにはビックリした。

ワシントン、ニューヨークは米国の縮図ではあるが、特例なのかもしれない。それにしても、先月下旬の国連総会期間中のニューヨークは一夜にして物価が急騰、ホテルなどは場末の三流ビジネスタイプが一泊250ドル(約2万8000円)で、各国からの取材チームは泣いていたそうだ。

それはともかく、本題に入る。ワシントンで多くの人たちと会った。日本政府関係者では杉山晋輔駐米大使を筆頭に各省庁の出先機関の責任者、米政府関係者とも会談した。取材ではなく意見交換という名目での面談なので、名前を挙げることができない。それでも米国家安全保障会議(NSC)や国務省幹部、そしてジェームズ・プリスタップ元国務省政策企画局長(現・米国防大学国家戦略研究所上席研究員)など元高官から長時間、話を聞く機会があった。

米政府関係者の話で共通していることは、対中国政策、今後の米中関係について非常に厳しい見通しを語っていたことだ。米議会の共和、民主党を問わず、トランプ政権の対中強硬政策を一様に支持している。

さらに言えば、ドナルド・トランプ大統領の強気一辺倒の通商・貿易では、メキシコに続いてカナダのジャスティン・トルドー首相まで北米自由貿易協定(NAFTA)に残留するためか、トランプ氏に平伏すことを余儀なくされたのだ。

トランプ氏のイケイケドンドンは止まることをしらない。では、9月26日午後(米国東部時間)にザ・ニューヨーク・パレスホテルで行われた安倍晋三首相との日米首脳会談はどうだったのか?

たしかに、前回指摘したように、安倍首相は日本にとってのワースト・シナリオであった自動車追加関税25%発動を回避できた。満額回答を得たとも書いた。

だが、そこに至る過程での事前協議についての詳細は日本で報じられていない。筆者は、それに関するディープな情報をワシントンで入手した。

閣僚級日米貿易協議(FFR)がそれだ。茂木敏充経済再生相とロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の9月25日夕と26日午前の協議は、それこそ熾烈な交渉だったという(ちなみに、2回も行われたことは報道されていない)。