「親が頑張っているかどうか」で空気が違う

フライトではないが、劇場でダウン症らしき子どもと隣り合わせたことがある。舞台の途中でその子の集中力が途切れると、母親(とおぼしき女性)は、彼にチップスの袋を渡した。子どもはパリパリと音を立てながらチップスを食べ始めた。すぐに食べ終わってくれることを切望したが、チップスの袋はかなりの大きさでその量は延々とも思われた。約30分以上にわたって、パリパリという音が劇場に響き渡ったのだ。

結局私は注意をしなかった、というかできなかったのだが、この場合、どう行動することが正解だったのだろう。少なくとも、保護者は何かを食べさせるとしても飴とかグミとか、音のしないものを選ぶべきだったのでは……とは思う。

今回の動画に関して、知り合いの元客室乗務員に意見を求めた。彼女は国際線ですべてのクラスを受け持ってフル回転していた。

「8時間すべてを見たわけではないので詳細はわかりませんが、CA(客室乗務員)が注意したら親が『Wi-Fiがあれば、i padが見られるのだからつなげてほしい』と言ったようですね。航空会社やフライトによってWi-Fiは有料の場合もあるし、サービスがないこともあるので、i padに子守をさせる前提なのは危険です」

その通りだと思う。子どもがある程度、声を出すのは仕方がないと思うが、8時間延々というのはかなりの時間だ。そもそもなぜ母親はWi-Fiに頼るばかりで放置なのか。

子どもがなにかやらかした場合、その親の対応によって、周囲の「容認」の基準は上下すると思う。動画のコメント欄を見ていると、多くの人は子どもの暴れん坊ぶりに辟易する以上に、母親の無策っぷりに憤りを感じている人が多い印象だ。

私も同意見である。多くの人間は単純にできている。たとえ子どもが騒々しくても、親が一生懸命あやしたり、周囲への気遣いが見られればだいぶ印象は変わってくる。しかしアップされた動画を見る限りは親にそんな様子は見られない。そして、Wi-Fiに頼りきりで、ほかの準備はしていなかったのだろうか。せめて必要な動画くらい搭乗前にダウンロードしておけばいいのに!

「席を代わって」と言われた場合

また、私の場合、ひとりで搭乗することが多いのだが、よく子連れのファミリーに席の交換を求められる。2人以上で搭乗している人より、1人客のほうが動かしやすいと考えるのだろう。まあその通りだ。母親と子どもが離れた席になってしまったので、席を交換してくれないか、とお願いされることはよくある。

私は通路席を選んでいることが多いので、通路から通路への交換には応じる。しかし、1、2時間のフライトならともかく、長距離フライトの場合、通路からセンターの席への交換は断ることにしている。そもそもなぜ航空券を購入した時点で、席の予約をしておかないのだろう。突然決まった旅だったり、事前に座席指定ができないタイプの航空券だったりするのかもしれないが、こちらは指定できる分、追加でお金を払っていることがほとんどなのだ。