日本株、個人投資家の「黄金時代」になる3つの理由

巨大機関投資家は身動きが取れない
大川 智宏 プロフィール

一方で、パッシブや短期筋は株式指数先物やETFなどで市場全体を押し上げる存在といえる。

特に日経平均株価は、日本の優良銘柄の集合体という建前上、割高化した値がさ株が多く、指数自体のパフォーマンスが好調なことがさらに資金を呼び込み、割高銘柄がさらに押し上げられるサイクルが固定されやすい。つまり、こういった投資主体の構造が大きく変化しないかぎり、日本株市場においてアクティブ投資が復権することは困難だろう。

さて、ではこういった環境の中で一体誰がどのようにしてパフォーマンスを上げているのかという話になる。これについて、ある程度の確度をもって言えることがある。これからの日本株市場は、「個人投資家の時代の到来」だ。

 

老若男女が簡単にできる「テクニカル」が勝つ時代

今まで巨大な海外資本に市場を振り回されていただけに、個人投資家の逆襲、と言っていいかもしれない。

具体的には、中小型株において、RSI(相対力指数)やボリンジャーバンドといったテクニカル分析が異様なまでに強いリターンを出し始めているのだ。

以下グラフは、「PER」と「中小型株テクニカル」の投資効果を表したものであるが、テクニカルの投資効果が際立っているのがおわかりいただけるだろう。

少しでも株式投資をかじったことがあれば、その言葉くらいは聞いたことがあるだろう。現在は、ネット証券中心に無料でテクニカル分析の機能が提供されており、老若男女誰でも簡単に値を見ることが可能だ。

しかも、2015年8月以降から急に効果を発揮し始めている点が興味深い。

2015年8月と言えば、中国株ショックに始まり、世界的に株式市場が急落を始めたタイミングである。この時期から、アクティブ系の海外投資家は日本株市場から撤退を始めたようなトレンドの変化が確認できる。そして、海外投資家の売買動向と割安株投資の機能不全の異様な同期が見られ始めたのもこの時期からだ。

つまり、海外アクティブの資金の流出とともに、相対的に短期投資家の影響力が増してきたのだ。短期筋の売買は、需給とイベントが基本だ。システム運用のファンドも、この需給の歪みを捉えて即座に利鞘を取るスタットアーブ(統計的裁定取引)という戦略が主体である。そして、それはほとんどが短期のテクニカル分析による銘柄の選定と類似したものになる。