樹木希林さんから学ぶ「私たちはどう生きるのか」

見栄や世間体にとらわれない
週刊現代 プロフィール

気軽さを最優先した

祝儀・不祝儀に象徴される、希林さんのおカネの遣い方は実にシンプルな考えに基づいている。

たとえば、ここ10年ほどは洋服を一切買っていなかったことがよく知られている。
'13年11月、その年に最も輝いた女性たちを表彰する雑誌『ヴォーグ』の表彰式には、娘の也哉子さんが着なくなった古着をリメイクした衣裳で登壇した。普段着も娘や娘婿、夫の古着でまかなっていたという。

「映画賞の授賞式にリサイクルショップで買った100円もしないネクタイをしていったこともあったそうです。着心地が良いからと、ご近所の友達の亡くなった旦那さんが着ていたという股引きをもらって愛用していたこともありました。

靴下は渋谷で買った男性用の4足1000円のセール品。靴は長靴を含めて、3~4足しか持たないと決めていました」(スポーツ紙芸能デスク)

 

ふだんは化粧もせずにリップクリームだけ。お風呂場にも石けんを一つしか置かず、それで顔も身体も洗う。髪もシャンプーは使わず、お湯洗いのみ。旅先に持っていくのは、石けんとハブラシ。とにかく物を持たない暮らしを徹底した。

同じように人間関係も煩わしいことは避けて、簡素化していった。
希林さんは45歳のときに事務所を閉じて以来、マネージャーをつけず、FAXと留守番電話で仕事を受け付けていた。

「マネージャーの人生を背負うことは、自分の重荷になってしまうからと考えていたそうです」(前出・映画関係者)

撮影現場には、愛車であるトヨタの「オリジン」を自ら運転して向かう。地方ロケの場合は一人で山手線やモノレールを利用して、新幹線や飛行機に乗る。コートには自分でリメイクして、Suica用のポケットをつけた。プライベートでも旅行の手配は自分で、格安航空チケットを手配する。

けっしておカネをケチっているわけではない。そのほうが気軽だからということにすぎない。