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東大?早慶? 大学なんて関係ない「地頭格差」の時代にどう生きるか

GAFAではもう当たり前

ある意味では「学歴社会」のほうがまだフェアだったかもしれない。未知のビジネスを発想し、形にするためには、圧倒的な「地頭の良さ」が必要となってくる。それは努力ではどうにもならない──。

21歳をグーグルがスカウト

米国のフロリダ州のマイアミにある高校を卒業したマイケル・セイマンは、ゲームアプリの開発が認められて弱冠17歳で米フェイスブックにインターンとして採用された。同社のインターンには月収約60万円の給与が支払われる。インターンになるだけでも狭き門だが、セイマン氏は18歳でエンジニアとして正社員となった。

そして、それからわずか3年後、彼はなんとグーグルに移籍。21歳にして音声対話型のAI(人工知能)「アシスタント」担当の製品マネジャーに就任したのである。

 

セイマン氏は世界最先端のIT企業「GAFA」が求める人材を象徴している。

GAFAとはIT分野の先端企業であるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社の頭文字をとった造語である。

このGAFAの時価総額を合わせると、約370兆円にもおよぶ。日本のトップ企業、トヨタ自動車のそれが20兆円超であることを考えると、この4社の企業規模が分かるだろう。

このGAFAが求めている人材は、日本のトラディショナルな大手企業とはまったく違う。セイマン氏のように、高卒でも「生まれながら」としか言いようがないほど、圧倒的な才能を持った人間が求められている。

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キーワードは「地頭」。

マッキンゼー、グーグル、楽天などを経て、現在はIT分野におけるアドバイザーやIT評論家として活動する尾原和啓氏が言う。

「いままでの日本企業では、解答が分かっている問題をいかに効率よく解決するかということが重要でした。だからこそ、安さと質の高さが売りの『メイドインジャパン』が実現し、世界中から選ばれていたのです。

しかし、これからのIT、デジタルの世界は、何が起こるかまったく分からない分野です。解答がある問題を早く解く能力よりも、課題を設定する能力、そしてその課題を解決する仮説を設定する能力が求められます。これは、今後はIT企業だからというのではなく、全産業的に言えることになると思います。

答えが分かっている単純作業は、AIが担っていき、スキル価値はゼロになっていく。学んで習得するスキルは、ロボットとAIが代替しやすいからです」

勉強して知識を得たところでAIの前では何の意味もないというのだ。「GAFA」でも、日本で言えば東大、早慶クラスの高学歴社員はもちろんいる。

だが、彼らはごくフツーに生きてきて、たまたま入ったのが難関大学というだけで、そのための受験勉強などしていない。

あらかじめ答えが決まっている問いなど、彼らにとっては本当の問いですらない。

「どうしても、日本では記憶型の学問が重視される傾向が強い。しかし、地頭の良さとは、今までにない問題の解き方を、どれだけ日常のなかでぐるぐると考え続けられるかで決まってくる。ただ勉強ができるだけではダメなのです」(尾原氏)