4兆円カジノ都市・マカオに集う「中国超富裕層」が日本に来る日

莫大な中国マネーは日本に落ちるか
尾嶋 誠史 プロフィール

中国富裕層が金を使う場がない!

ただ、中国の税制度は資産家には厳しく、稼いだお金の大半が税金で持っていかれてしまいます。そこで、資産家たちはせっかく稼いだお金を税金として徴収されないように、せっせとマカオのカジノで使うのです。

なぜ、お金持ちの中国の富裕層がわざわざマカオのカジノにやってくるのか。それは、中国には富裕層が遊べるような場所がほとんど存在しないからです。

 

まず、中国は麻雀を始めとする様々な賭けごとを生み出してきたギャンブル大国にもかかわらず、ギャンブルは法律ですべて禁止されています。日本であればどんな地方にもあるような、パチンコや競馬、競輪なども存在しません。また、お金を出して女性と遊ぶ行為も違法で、風俗店もありません。いわゆる娯楽施設と呼ばれる場所も、限りなく少ないです。

みんなお金が有り余っているのに、お金を使う場所がない。以前、日本でも中国の中産階級の旅行者が日本にやってきて大金を使う「爆買い」が話題になりましたが、多くの中国人はお金を使う場所を求めています。

その中の選択肢のひとつとして人気が出たのが、ギャンブルはできるうえに、様々なエンターテインメントが凝縮された場所・マカオだったのです。

世界遺産が多く、観光地としても人気のマカオだが、なによりも国の財政を支えているのはカジノ経営だ Photo by iStock

また、中国の富裕層のうち、決して少なくない人数が公務員で占められています。公務員への賄賂はもはや文化と言っても過言ではありません。年収400万~500万円の公務員であっても、実は賄賂で1億円もらっているということもざらにあります。

ここでも問題になるのが「もらった賄賂を使う場所」です。中国国内では、人民の資産はきちんと当局によって管理されているので、賄賂をもらっても使う場所がないのです。そこで、「もらった賄賂を誰にもとがめられずに使えるうえに、場合によっては大金を持って帰れる場所」として、多額の金を持った公務員たちがこぞってマカオを訪れ、中国に飛び交う賄賂が、マカオのカジノ経済を潤すことになるのです。

そんなマカオきっての大富豪といえば、先ほど少しご紹介したスタンレー・ホーです。彼はマカオのカジノのドンで、妻が4人、子供は17人います。先日、スタンレー・ホーは自身の会社から引退することを発表しましたが、とはいえ、いまだ彼の権力は絶大。自分が持っている会社を子どもたちに継がせて、マカオのカジノに影響力を持っているようです。また、日本のカジノ運営にも、彼の息子であるローレンス・ホーが意欲を示しているようです。