苦境の中国の突発行動が「世界金融市場大混乱」の引き金になる

地価を下手に触るとバブル破裂
宿輪 純一 プロフィール

苦境の中国、為替と株価は抑えているが

中国の経済政策の運営は、突然、変更するため、予想しにくい。それに対して先進国のほとんどの国が「フォワード・ガイダンス(Forward Guidance)」として長期的な政策を約束している。

フォワード・ガイダンスはリーマンショックのような金融市場にパニックが起こっているときには有効な政策である。しかし、平時となると、金融市場が安心し、リスクに対して意識が少なくなっていくという副作用もある。

現在のような状況下では、中国のみが警告なし政策変更の可能性がある。言い換えれば、中国の政策変更が、長期的な予想の下で動いている金融市場の変動要因なのである。

 

中国の経済については、米国の関税引上げによる貿易摩擦で、当然、景気にはブレーキがかかっている(経済成長率が低下する)。その影響下、メインの株式市場である上海株式市場が貿易摩擦の高まりと同調するように下落をしている。

以前と違うのは、今年に入って「株式市場」における介入がほとんどないという点である。かつてあった「国家隊」といわれる政府系資金の株式も目立ったものはなく、その昔は、そもそも「売り禁止」といった規制も引かれていたようである。

これは中国上海株が上昇し、また人民元の国際化が進むなどにより、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の指数を始めとして、国際指数に採用された。これは人民元がIMF(国際通貨基金)の構成通貨と認められたものと同様な意味を持つ。要は、人為的な相場形成ができなくなったのである。

人民元の「為替相場」については、株式市場と違う動きをしている。通貨制度についてはIMFに登録をするが、中国は公的にも“管理”変動相場制であり、為替の介入が許されており、人民元の買い支えをしている。

これは人民元買ドル売介入であり、毎月発表される外貨準備残高の減少で確認できる。これにより、突然の人民元安へ政策転換で、資本流出を引き起こし、株式の暴落を招いた2015年8月を中心としたチャイナショックの再来を防いでいるということもできる。