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苦境の中国の突発行動が「世界金融市場大混乱」の引き金になる

地価を下手に触るとバブル破裂

トランプは外国に配慮しない

世界経済や金融市場のカギはトランプ大統領が握っているように見える。しかし、実カギを握っているのは「中国」である。

トランプの経済政策は実は非常に分かり易い。白人工場労働者を意識しているのである。移民の制限にせよ、関税を高くして貿易摩擦を起こすような政策にせよ、そのために行っている。

基本的には1929年に始まる大恐慌の教訓を得て以来、自由貿易こそ経済を発展させるということが前提となって、世界経済は発展してきた。そのリーダーが米国であった。

トランプは、政治家として自分の立ち位置が、実によく分かっている。彼が大統領になることができたのは、それまで民主党が抑えていた組合を主とした白人労働者の票を、大量に共和党に持ってくることができたからである。

これら白人労働者は格差を感じ、割を食っていると思っていた。そこを突いたのがトランプの政策である。それが彼の共和党内の「基盤」なのである。そこを今後も死守しなければならない。

そのため、政策も国内保護的色彩が強くならざるを得ない。この点でトランプの経済政策は予想しやすい。特に11月6日(火)に予定されている「中間選挙(Midterm Elections)」がトランプの最大の関心事である。

 

選挙であるから、票を集めなければならない。この点で米国にとっての外国は票が絡まないので、重点度合いが低くなる。当然、国内産業保護のため、関税を上げることとなる。中国に限らず、海外(外国)に厳しい対象となっていく。

またトランプは、日本に対しても関税を上げようとしているが、これは世界貿易機構(WTO)の原則として、関税は勝手に上げられない。関税を上げることができるのは、安全保障上の問題がある場合である。安倍首相をはじめ、世耕経産大臣が「同盟国なのに」といっているのはこの点を言っている。

そして、中国に対しては貿易摩擦を超えて報復合戦となり「貿易戦争」の様相を呈している。ちなみに中国から米国への輸出は約5000億ドル、米国から中国への輸出は約1500億ドルであり、金額の大きな差、つまりは米国における中国への貿易赤字がある。

現在、中国から米国への輸出品(米国の輸入品)の5割から7割に関税が掛かる。その点で、中国が同額の関税を掛けようとしているのは無理がある。中国と米国の貿易量は世界の貿易の約4割を占めており、その変調は、世界の経済および金融市場の懸念事項となっている。