“代理婚活”は「世も末」か? どこまでもすれ違う親子の感情…

連載「婚難の時代」第2回
共同通信 生活報道部取材班 プロフィール

「おせっかいをしないと取り残されてしまう」

「代理婚活」について昨年、新聞連載で取り上げたところ、さまざまな世代から、手紙やメールが届いた。一番多かったのはなぜか「うちの息子(娘)に誰かいい人を紹介してくれませんか」という独身の子を持つ親からのお願いだったが、子どもや親への素直な思いを打ち明けてくれる人もいた。

西日本の人口5万人ほどの街に住む山田修三(75)は、同い年の妻と二人暮らし。東京に暮らす独身の長男の紀久(46)は高校を卒業後、大手企業で技術職として働いている。

修三の住む集落は農家が中心で、近所には子どもや孫と三世代同居をする家族が多い。修三の長女(42)は15年ほど前に結婚して、小学生の孫が2人いるが、新幹線で3時間かかる距離に住んでいるため、正月やお盆しか会うことができない。

 

「寄り合いで同年代の友人たちが『孫の運動会に行ってきた』なんて話で盛り上がっているのを見るとうらやましい。自宅に戻るとなんともいえない寂しい気持ちになる」。内孫がほしいという気持ちが募る。

紀久は口数が少なく、結婚しない理由はわからない。すでに東京に購入したマンションは、一人で生きていくという意思表示なのか、結婚に向けた下準備なのか――。

実は、紀久は幼い頃から消化器系の持病を抱えていて、本人は言わないが、それが結婚の障害になっているのではないかという心配もある。

むやみに結婚のプレッシャーを与えるのはよくないと考えた修三は、数年前、ある行動に出た。地元の自治体の「婚活サポーター」に応募したのだ。

もちろん、仲人やおせっかいさんの経験はゼロ。「いい年になっても結婚しない息子の気持ちを理解したい」という一心だった。

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20~40代向けの婚活イベントに補助役として参加すると、おとなしそうな男性たちが壁際でもじもじしていた。見るに見かねて「どうしたんだ」と声をかけると「女性と話したことがないので、どうやって声をかけていいかわからない」という返事が返ってきた。

思い返せば、修三も若い頃は寡黙で異性と話すのが苦手だった。それでも、親戚が持ってきた縁談で出会った現在の妻と、数回食事をしただけで何の疑問も抱かずに結婚を決めた。

しかし今は、親戚や会社を通じたお見合いはほとんどなくなってしまった。「息子のように都会暮らしの奥手な男は、誰かがおせっかいをしないと取り残されてしまう」と痛感した。

修三は、記事で「代理婚活」の存在を知り、今年中に参加しようと考えている。「お嫁さんは40歳過ぎでもいい。今は50歳くらいまで子どもを産めると聞いたから」と屈託なく笑った。