就活解禁ルールはすでに崩壊…大企業はこんなに隠れ内定を出している

懸念される「内定格差」の拡大
トイアンナ プロフィール

外資へ殺到する学生、早期選考を実施する日系

「外資の内定は、日系企業の手土産になるらしいぞ」と、就活生へ広まったのが2010年ごろ。それからは優秀層が次々に早期選考、早期内定を獲得する流れができた。

そして日系企業も外資にばかり人材を盗られてはかなわない。ここでは名を伏せるが、日本を代表するトップ企業の多くが早期内定を出し始めた。筆者が把握しているだけでも、以下の業界で早期内定が出ている。

【これまでにトップ企業で早期内定が確認できている業界】
IT、ベンチャー、家電メーカー、商社、不動産、金融、通信、重工、銀行、保険、インフラ、建設、化学メーカー、人材、など。
 

これらの業界をすべて無視して就活する学生の方が少ないであろうから、ほぼ全就活生が、本来であれば早期選考を選ぶべき状況に置かれているのだ。

学生が採用ページからエントリーボタンを押すと、インターン、リクルーター面談、あるいは社員交流会、OBG訪問会といった名前でお誘いがくる。

それが実質選考となっており、内々定をこっそり出したり、選考そのものは解禁日後でも優遇措置を与えたりするカラクリだ。

経団連がある以上、事前の内々定や優遇措置は大っぴらに実施できない。そこでこういった遠回し語で、選考が進められていく。

〔PHOTO〕gettyimages

就活解禁日の崩壊

その上で、これからの採用はどうなるだろうか。

経団連の中西宏明会長は今年9月、「経団連が採用日程を采配すること自体に極めて違和感がある」と発言した。

実はヤフー、リクルート、ファーストリテイリングといった企業は通年採用を始めており、特にヤフーとリクルートは経団連へ加盟している企業である。

当時は通年採用制度の発表は驚きをもって迎えられた。しかし今や経団連そのものが、通年採用を支持するかたちとなっている。

というのも同時期に一斉となって就活を始めるのは日本独特の文化であり、海外では通年採用の企業が多い。通年採用は企業にとって、離職が発生しても常に欠員を補充できるメリットがある。

また、学生にとっても「部活動や研究が落ち着いた時期にやろう」「先に内定を得てあとから学業へ集中しよう」といったスケジュール設計ができるため、双方に利があるかたちだ。