就活解禁ルールはすでに崩壊…大企業はこんなに隠れ内定を出している

懸念される「内定格差」の拡大
トイアンナ プロフィール

優秀な学生ほど、動きが早い

これまで指導してきた全体的な傾向として、優秀な学生ほど就活へ取り組み始める時期が早い。

彼ら・彼女らは3年生の序盤に就活を始め、志望業界にもよるが4年の夏前には内定を手に入れる。そして残された時間でじっくりと卒業論文や旅行など、学生生活を楽しんでいる。

いっぽう、平均以下の学生は「就活解禁日」まで一切対策を行わない。したがって4割以上の企業が解禁日前に内定を出していることなど、知る余地もない。実際には「補欠枠」に過ぎない残された採用枠を巡り、高倍率の就活を始めるのだ。

トップ企業の内定を取る学生は、就活解禁日の形骸化へいち早く気づき対策を早期にスタートする。一方、平均以下の学生は「よーい、ドン」となる就活解禁日まで待ってしまう。

したがって、経団連のスケジュールを真に受けると「無い内定」となるリスクが待ち構えているのだ。

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外資系企業内定という「手土産」

ではなぜ、内定を複数持てる優秀な学生だけが「経団連のスケジュールに意味がない」と気づけるのか。それは外資系企業が、学部3年生の時点で学生を採用するからだ。

外資系企業の多くは「英語力」と「論理的思考力」を採用時に求める。したがって採用される学生はこの面で秀でた人間が多い。もちろん例外はいて、筆者もまぐれ採用してもらった側だ。

しかし典型的な内定者はリーダーシップ経験を持ち、複数のプロジェクトを同時進行できる力強い人材である。

これまで日系企業は採用基準に論理性よりも「志望度の高さ」や「協調性」を強く求めてきた。しかしそれだけでは立ち行かないと、トップ企業を中心に外資と同レベルの英語力や論理的思考力を求めつつある。

 

そういった日系企業にとって「すでに昨年、外資系企業で内定を取ってきました」という学生は、能力をある程度保証された「安パイ」の人材に見えるというわけだ。ある学生はこう語る。

「面接で外資系コンサルティングファームに内定しています、といった瞬間に空気が変わりました。面接官が身を乗り出して話を聞いてくれるようになって。

もともと私はあまり協調性がないので広告代理店は狭き門だと思っていたのですが、営業ではなくストプラ(=ストラテジープランナー、広告戦略を立てる部門)枠として採用していただけたようです。

もともと広告営業よりも戦略をやりたいと思っていたので部署希望を叶える意味でも、外資の内定を持っていて良かったと思いました」