文系が滅びる時代に身に着けておくべき「3つの武器」を教えよう

島国思考から脱出する方法③
岩崎 日出俊 プロフィール

まともな投資ができなければ…

そしてこの3つに加えて、もう一つAI時代に生きる人間が学ぶべきものとして「投資」があります。これをすべき理由も、ここまでに述べてきたことの延長線上にあります。

もはや人間が人工知能と同じ土俵に上がり、真正面から能力を競ったところで勝ち目はありません。しかし人工知能を開発することで莫大な利益を得ているGoogleの株を購入すれば、その株を買った人は、その成果を受け取ることになります。つまり、投資を通じて人間は人工知能との対立関係を脱し、見方によっては人工知能を従わせることもできるようになるというわけです。

 

ただ、投資というと日本の場合、FX取引をはじめとした短期の売買を繰り返す投機性の強いものがどうしても注目されがちです。こうした投資のやり方は、海外では決して王道とは見なされません。

たとえば近年ブームになった仮想通貨にしても、一時は全世界のビットコイン取引のうち、日本人による売買だけで全体の50%を超えていたことがありました。しかし世界に77億人の人間がいるのに、わずか1億しかいない日本人の取引だけで、全売買の半分以上というのはどう考えても常軌を逸していますし、FXについても同様のことが言えます。

その点、アメリカ人の投資に対する考え方は自然体です。具体的には、確定拠出年金である401Kに20代のうちに加入し、月々の給料から一定額が天引きされる形で掛け金を積み立てていくというやり方で投資を行います。積み立てた掛け金は、ダウ平均株価に連動した運用成果を目指すETF(Exchange Traded Funds=上場投資信託)などで運用するため、定年を迎え、401Kが満期になる頃には、うまくいけば総資産が投資額の10~30倍には膨らんでいます。

給料からいくら引かれるかは投資家自身で選べるのですが、たとえば年収300万円の人が、年収の3分の1に当たる100万円を毎年積み立てれば、元手は10年で1000万円になり、20年経てば2000万円になります。

それがダウ平均と連動した投資で、たとえ5倍のリターンを生んだとしても、それだけで資産は1億円になっています。老後はそれを取り崩して年金収入に充てるので、悠々自適の生活が送れるというわけです。ちなみにダウ平均株価は過去20年で3倍、30年で12倍になっています。

厚生労働省が平成29年6月に発表した「国民生活基礎調査の概況」によると、日本では高齢者(65歳以上)世帯の平均所得額は月26万円、年収約308万円でした。それに対してアメリカでは世帯主が65歳以上の世帯の平均年収は700万円。月平均で58万円と、2倍以上の差がついています。

もちろん、アメリカは貧富の差が激しい社会ですので、貧困層を含めた全ての国民がこうした老後を送れているわけではありません。しかし中流以上のホワイトカラーでは、こうしたライフスタイルは特別珍しいものでもありません。日本であれば、なにか特別な才覚をもっていて、ビジネスで大成功した人でもなければ手に入らない豊かな老後を、ごく普通の勤め人たちが手にできているというわけです。