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# おカネ論

投資家・村上世彰氏「僕がいま考えていること、やりたいこと」

お金の話は『はしたない』ですか?

儲けることは、恥ずべきこと?

―『いま君に伝えたいお金の話』は、お金の「プロ中のプロ」である村上さんが、子供たちにお金で苦労しない生き方を伝える一冊です。自分の子供や孫たちに教えたい話がギュッと凝縮されています。

前著『生涯投資家』を出した後、中学や高校でお話をする事が増え、子供たちがお金についてもっている疑問を直接聞く機会もあったので、それに対する答えをまとめてみようと思いました。

それにしても、親御さんに「お金の話ははしたない」という考えが根強いせいか、子供たちが家計を全然知らないことに驚きました。

住宅ローンを抱えている家庭も多いでしょうが、返済額まで把握している子供は皆無です。親に万が一のことがあれば自分たちにどのようなことが起こるかもわからないのに、これは心配だと思いました。

 

―なぜ、日本には「お金について子供にしっかり教える」という土壌がないのでしょうか。

江戸時代から長らくそういう教育をやってきたせいでしょう。なにしろ「士農工商」というように、儲けることは恥ずべきことだ、と考えられてきたわけですから。

ただ、そうした意識も僕が世間をお騒がせした10年ほど前がピークで、最近はだいぶ変わってきた気もします。上場企業の社長などが、「プライベートジェットで旅行にいく」とか、「何十億で絵を買った」なんてSNS上で言っても、それが支持される時代になってきた。あの頃だったら、袋叩きにあったはずです(笑)。

―自分の子供たちにお金に関する正しい知識や能力を身につけさせるためには、まずなにから始めるといいでしょうか。

生活の中で「プライス」を意識させることから始めるべきです。たとえば、サンマは豊漁の年は脂ものって美味しいのに値段が安いけど、不漁の時はやせていて味も悪いのに値段が高いのはなぜなのか、と、メカニズムを考えさせてみるのです。

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本書でも紹介していますが、我が家では外食の際「値段当てゲーム」というのを子供たちとやっていました。食事の値段は材料などの「原価」に加えて、店が醸し出す雰囲気などを含めた「付加価値」等々、さまざまな要素から決まります。

それらをしっかりふまえてプライスを考えれば、「自分はこの雰囲気にこの値段を払う価値は感じない」という判断を下すことも可能です。

画一的な価値観ではなく自分自身の「尺度」が出来れば、流行に振り回されることもなくなります。