自動運転は、本当に超高齢社会を迎えたこの国を救うのか

「未来」を展望する二人の読み方
藤井 太洋, 河合 雅司 プロフィール

藤井 あと、これぐらいコンピューターの電子市場のスピードが早まってくると、スイカのような作物でも先物取引の対象になり得るわけです。

今までは大豆とかコーヒー豆などの乾きものが大きく扱われてきましたけれど、今日獲った、明日獲れる、来週獲れるといったような、ほんとに短期のものに「場」を立てて扱っていくようなことで、リスクを減らしていくこともできるでしょう。

売れなかったり、傷んでしまったり、輸送のロスなどを吸収していくマーケットがあれば。農協はフィンテックを導入するべきですよ。せっかく資金が潤沢にあるんですから(笑)。

東京よりも世界に近い、福岡の魅力

河合 人口減少時代というのは、テクノロジーと人の住まい方の見直しを組み合わせて、ワンセットで考えざるを得ないと思います。

藤井 いや、これは本当に必要ですよね。

河合 今は憲法で移動の自由が保障されています。人々は住みたいところを選べるわけですが、これまでのように自由に住もうにも、それを支えていく行政サービスとインフラが賄えない地域が広がってくるわけです。

暮らしを支えるのに必要なサービス立地の考え方からすると、最低500人ぐらいの人口規模が必要となるわけで、これからはそうした拠点に集まり住むことが求められるでしょう。

行政サービスは、そうした拠点まで届ければよいとなったならば、それに合わせてドローンや無人車で物を配送するテクノロジーを発展させていくことになります。そのほうが現実的だと思います。

人口減少社会では働き方も大きく変わらざるを得ないと思います。たとえば、会社に集まって働くというスタイルです。生産者であり大消費者である若い世代を、通勤のために片道1時間も電車やバス、マイカーの中に拘束するのはもったいない。

職種にもよりますが、働く場は、テレワークを使えば在宅でも、サテライトオフィスでもよくなる。東京一極集中の是正が言われますが、勤務地は地方や海外でもよいわけです。

これまでの都市形成は、会社の建物に通うことが前提だったため、オフィス街に近く、通勤しやすいところに住宅を求めるということで都市は放射状に拡大してきました。だが、今後はそうした都市形成の在り方そのものも変わっていくんじゃないでしょうか。

『未来の年表2』は約20万部

藤井 ただ、アメリカの西海岸なんかに行ったりすると、グーグルとかヤフーなどのキャンパスがあって、才能のある人たちが何千人も集まって仕事をしている。車で10分行くとまた同じようなキャンパスがあって、という感じで。

価値観が共通する友人たちと、高い刺激がある楽しい場所で仕事をするのは、やはりうらやましいですね。

河合 テクノロジーが発達してくれば、そうした場所が東京でなければならない理由はないですよね。

今、私が注目している都市は福岡ですね。スタートアップに対して行政がすごく力を入れているからです。福岡は、東京から遠いことが功を奏しています。アジア諸国に近いから、東京とは違ったビジネスの拠点としてこれから発展していく高いポテンシャルを持っているのではないかと思うのです。

しかも中心市街地と空港と新幹線の駅が、近接しているでしょ。今の時代、空港によって世界にくっついているわけですから、これは大きな武器です。

地元の経済界の方々と話すと大阪の衰退を懸念する声も聞かれるのですが、私は梅田駅周辺のいわゆる「梅田バレー」と呼ばれる企業支援の動きに期待しています。スタートアップの集積地として発展していけば面白い。

藤井 福岡や大阪も大きな都市ですが、やはり3200万人という世界最大の都市圏を持っているというメリットは確実にありますよね。この3200万人を、若者外国人を含めて活性化して5000万とか6000万人にしていくことに私は期待したいですね。

河合 ただ、この国は東京圏も含めて確実に高齢化します。これから、ものすごく高齢化する。

東京は同じ3000万都市圏であり続けたとしても現在とは年齢構成が全く異なる都市となります。しかも5000万とか6000万人もの人数を集めようにも、この国の若者はどんどんいなくなる。外国人もそんなには来ないでしょう。

政府は在留資格の要件を拡大しようとしていますし、外国から日本に来て働く人は今後も増えていくことは間違いないと思います。しかし世界中が少子高齢化となる状況の中で、各国とも若き外国人労働者を必要としています

わざわざ高い渡航費をかけてまで、言葉の通じない日本を選ぶのか。若い外国人労働者が将来的も日本に安定的に来るかという点については、私は疑問視しています。

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