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「エセ犯罪心理学者」が犯罪…? デタラメなカウンセリングの深き闇

メディアの責任も大きい

カウンセラーの性暴力事件

私は今、猛烈に怒っている。そして悲しんでいる。

8月ころから、臨床心理学や犯罪心理学の「専門家」にして、著名なカウンセラーである長谷川博一氏から、性的被害を受けたという女性たちが声を上げ始めた。

被害者の多くは、性的虐待やDV被害のトラウマなど数々の心理的問題を抱えて、カウンセリングを受けていた女性たちであるが、こともあろうに当のカウンセラーから性被害を受けたというのである。

女性たちは、長谷川氏のツイッターに被害を書き込み、彼のツイッターは一時炎上状態となったが、彼は片っ端からそれを消去し、火消しに回った。

そして彼は、被害者たちの声は自分を陥れるための嘘である、誘ったのは女性のほうだなどと述べ、自分こそが被害者であるとのツイートを重ねた。

先週発売の週刊誌上で、とうとうこの事件が報道され、その生々しい様子が明るみになった。

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複数の性交渉があった

事件は、ここに記すもおぞましいものである。

彼は、「訪問カウンセリング」と称して、「もっと自分に甘えて」「敬語ではなく、くだけた言葉で」などと優しい言葉を掛けながら、布団に横になって腕枕をしたり、背中をさすったりしながら、行動をエスカレートさせ、額や唇にキスをし、ついには性交にまで至ったという。

たとえ女性から誘われたとしても、カウンセラーはクライエントといかなる身体的接触ももってはならない。これは職業上の倫理綱領にも厳しく定められている。

実際、クライエントがカウンセラーに恋愛感情を抱くのはめずらしいことではなく、本当のカウンセラーなら、そのような場合の対処についても厳しく訓練されているはずだ。

 

また、そもそも自分が相談室を開設しているのに、相手の部屋で「訪問カウンセリング」をすることの意味がわからない。このときにも「あなただけ特別だよ」などと甘言を弄して、相手の部屋を訪れていたという。まったく、最初から下心が透けて見える。

もちろん、これらの大部分は被害者側の証言に基づくものであるので、「加害者」側の言い分も聞かなければならない。

記事のなかでの長谷川氏の言い分としては、複数の性交渉があったことは認め、それは自身のトラウマによるフラッシュバックだったと述べている。

彼自身、10代のときに性被害に遭ったことがあり、そのフラッシュバックのため前後不覚になって、このようなことになったといい、そのときの記憶もないという。言うに事欠いて苦しい言い訳である。