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# テレビ局

「若者はテレビを見ない」は本当か?新しい視聴率の指標でわかること

民放キー局で起きている、ある変化
「若者のテレビ離れ」と言われるようになって久しいが、テレビは本当におじさん・おばさん・高齢者しか見ない「オワコン」なのだろうか。
今年から民放キー局5局で始まった「視聴率」の新しい計測指標により、テレビの新たな見られ方がわかってきた。テレビ局事情に精通したジャーナリスト、今井良氏が解説する。

テレビ視聴率の新指標

日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の民放キー局5局は今年4月から新しい視聴率の取引指標を導入している。その新しい視聴率の計測指標が「P+C7(ピープラスシーセブン)」である。Pとは「番組」を指し、Cは「CM」、そして7は「7日間以内視聴」を指している。東京民放キー局5局は次の2点が大きな柱としている。

 
1 「取引指標を従来の世帯視聴率から個人全体視聴率に一斉移行する」
番組の「世帯視聴率」に代えて「個人全体視聴率」(略称はALL)を採用する。現行の関東地区900の調査サンプル世帯における受像機セットイン数の代わりに、同じ世帯の4歳以上の約2300人全員の視聴状況を基に視聴率を算出する。
2 「タイムシフト視聴率をスポットCMセールスに反映する」
番組のリアルタイム個人全体視聴率(ALL)に、放送後7日間以内のタイムシフトCM枠平均視聴率を加算し、スポットCMの在庫量を決める。

そもそも日本では、1961年に機械式視聴率調査が始まって50年以上、視聴率と言えば「世帯視聴率」だった。そして番組と番組の間に放送される15秒~30秒のCM、いわゆる「スポットCM」の取引指標も、この世帯視聴率が用いられてきた。さらに世帯視聴率は番組制作者を一喜一憂させる「成績表」の役割も果たしてきたのだ。

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東京キー局5社が手を携えて、その長い伝統を打ち破ったのには理由があった。テレビを視る人が「高齢化している」傾向を各種調査でつかんでいたからだ。P+C7の導入で世帯視聴率による計測では得ることができなかったデータを手に入れることができるようになる。2300人の個人視聴率ももちろんだが、現在の上顧客である「F3=50歳以上の女性のテレビ視聴層」の実情を数字として手に入れることができるからだ。