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米中貿易戦争激化で、日本にとんでもない好機が訪れる可能性

困った中国は、必ず日本を頼る

日本にチャンス到来か

「なんだか周囲に中国人が多いなあ」と思う、ここ数日ではないだろうか?

それもそのはず、10月1日は中国の建国69周年の国慶節で、中国はいま7連休の真っ最中なのである。

連休中、海外旅行(香港・マカオ・台湾を含む)を楽しむ中国人は700万人に上るが、今年の流行は「早・安・近」。3月以来の米中貿易戦争によって、中国経済が痛めつけられた結果、中国の消費者は財布のひもを締めているのだ。また、「敵国」アメリカへの旅行者は激減している。

というわけで、一番人気に浮上したのが日本である。2位以下は、タイ、香港、韓国、シンガポールとなっており、いずれもアジアの周辺国・地域である。

不景気とはいえ、中国人の海外旅行熱が冷めたわけではない。中国旅行研究院と旅行最大手の携程旅行ビッグデータ連合実験室が合同で発表した『2018年上半期出境旅行ビッグデータ報告』によれば、今年上半期の海外旅行者数は、前年比15%増の延べ7131万人に達したという。このペースで行けば、年間の海外旅行者数は1億4000万人を突破することになり、来年はいよいよ1億5000万人の大台が見えてくる。

いずれにしても、こと中国人の海外旅行に関しては、米中貿易戦争によって日本が最も漁夫の利を得たことになる。

 

このヒトの流れと同様、今後はカネの流れ、すなわち中国からの海外投資も、アメリカへ向かうはずだったものが日本へやって来る可能性がある。日本としては、こうした「漁夫の利外交」を、大いに行うべきである。このことは後述する。

第3弾の追加関税措置

国慶節のちょうど一週間前、アメリカ東部時間の9月24日午前0時から、トランプ政権は2000億ドルの中国産品に対して、10%の追加関税を実施した。7月6日の第1弾340億ドル、8月23日の第2弾160億ドルに次いで、第3弾である。今回は、テレビ部品から冷凍肉まで、かなりの多品種にわたる。

これに対し、中国も北京時間同日午後0時1分から、アメリカ産品600億ドル分に対して、追加関税を課した。液化天然ガス(LNG)、化学製品、小麦、肉類、ワインなどに10%、コンピュータや繊維製品などに5%である。2017年の米中貿易は、中国からアメリカへが5050億ドル、アメリカから中国へは1539億ドルだったため、中国はアメリカに対して、同等の2000億ドル分への追加関税がかけられないのである。

この米中双方の「3度目のパンチ」に先がけて、中国財政部関税司(局)にオフィスがある国務院関税税則委員会は9月18日、2つの発表を行った。

〈「国務院関税税則委員会のアメリカ原産の一部輸入商品(第2弾)への追加関税公告(税則委員会公告2018年6号)」に基づいて、以下の事項を実施する。2018年6号公告にリストアップしたように、2018年9月24日12時1分から追加関税をかける。対象は、添付1にある2493品目、添付2にある1078品目に、それぞれ10%。添付3にある974品目と添付4にある662品目に、それぞれ5%の関税をかける。その他は、6号公告に則って執行する 〉

〈 2018年7月11日にアメリカ政府は、中国からの輸入品約2000億ドル分に10%の追加関税をかけると宣布し、8月2日にはさらに25%まで引き上げるとした。9月18日になってアメリカ政府は、中国からの輸入品約2000億ドルに対する追加関税を、9月24日から10%で実施し、2019年1月1日からは25%に引き上げると宣布した。アメリカは一方的な独断専行で、中米貿易摩擦のレベルを不断に引き上げている。自由貿易とグローバリズム体制を死守するため、そして自身の合法的権益を死守するため、中国は約600億ドルの追加関税リストを公布せざるを得ない。

「中華人民共和国対外貿易法」「中華人民共和国輸出入関税条例」などの法律法規、及び国際法の基本原則に基づき、国務院の批准を経て、国務院関税税則委員会は、アメリカ産の5207品目、約600億ドル分の商品に対して、10%もしくは5%の追加関税を、9月24日12時1分より実施することを決定した。もしもアメリカがそれでもさらに関税税率を引き上げるのであれば、中国は相応の応対をする。それについては別途、公布する。

中国は再度申し上げるが、これらの追加関税措置を実施する目的は、貿易摩擦のこれ以上のレベルアップを抑えるためであり、アメリカのユニラテラリズムと貿易保護主義への応対を迫られてのことである。中国側は、アメリカが貿易摩擦を停止し、中米双方が平等・誠意信頼・実務的に対話し、相互に尊重し、互利共勝の経済貿易関係の大局を共同で維持、保護し、自由貿易の原則とグローバルな貿易体制を共同で維持、保護し、世界経済の繁栄と発展を共同で促進することを希望する 〉

結局、9月24日に、米中双方が第3弾の追加関税措置を実施した。中国が「12時1分から」としているのは、あくまでも「12時0分」から実施するアメリカに対抗して「防戦のため後発的に」実施したことを示すためだ。