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「丸亀製麺」のスタッフはなぜ「おっちゃん・おばちゃん」が多いのか

この接客が急成長の秘密
年商900億円、国内外1000店舗、既存店売上は対前年比100%以上を40か月以上達成……。日本を代表するうどんチェーン「丸亀製麺」は、なぜここまで急成長をとげることができたのか? その秘密に迫った『丸亀製麺はなぜNo.1になれたのか?』の著者で、創業社長の秘書をつとめる小野正誉氏が、「中高年を採用する」「マニュアルで縛らない」などのユニークな人事・接客について語った。

他のチェーン店とここが違う

丸亀製麺は、一般的なチェーンの飲食店とはスタッフの雰囲気が違うとよく言われます。

それもそのはず。オープンキッチンで働くのは、つい「おっちゃん」「おばちゃん」と呼びたくなるような中高年の親しみやすいパートナーさんです。

どの飲食店もパート、アルバイトが多いという点では同じですが、丸亀製麺では40代以上の方がたくさん活躍されていて、しかも圧倒的に女性が多いという点が特徴です。

本場の讃岐の製麺所でも、おっちゃん、おばちゃんと親しまれている人が店を切り盛りしている光景を目にします。そのアットホームな雰囲気が、気軽にフラリと立ち寄れるような讃岐の製麺所の空気をつくっているのです。

とくにうどんや天ぷらは料理経験の豊富な人が作ったほうが、おいしくできます。そもそも、目じりにしわがあり白髪混じりのいぶし銀の男性がうどんを作っている姿を見ると、それだけでおいしそうだと感じませんか?

割烹着の似合う中高年のパートナーさんだからこそ、おいしさやぬくもりを感じるという効果があるのです。ですので、丸亀製麺は開業したころから意識して中高年のパートナーさんを採用してきました。

 

通常、チェーン店は本社の社員が店長になり、現場のスタッフを差配するという構成になっています。丸亀製麺も、社員が現場で一から経験を積んで店長まで務めるというケースもありますが、社員店長を置いていないお店も結構あります。

20代・30代の、いつ異動するかわからない若手社員がお店を守るより、その地域で生活しているパートナーさんに任せたほうがいいだろう、という考えなのです。実際、社員店長がいなくても店はキチンと運営されています。

熟練のパートナーさんは、「来週あの学校の運動会があるからお客さん増えるよ」とか、「お祭りあるから、たぶん今日は暇やで」など、地域情報を熟知して、それに合わせて動いてくれます。

最近は、AI(人工知能)を使って売上予測を立てるサービスの開発が進んでいます。前年度の売上や、天気や曜日のデータを入力し、そこから今日の売上を予測して商品のロスが出ないようにする。確かに、それは確度の高い予測ができるし、効率的かもしれません。

しかし、AIには人を感動させることはできません。

したがって、これからも丸亀製麺ではAIが出すデータより、おっちゃん・おばちゃんの経験や勘を重視していきます。