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「消える銀行、残る銀行」これからどう生き残っていけばよいのか?

銀行に残された最後の「付加価値」とは
泉田 良輔 プロフィール

銀行に残された付加価値とは

たとえば将来、ビットコインのコア技術であるブロックチェーン技術を使った「スマートコントラクト」が広がったら、銀行はどうなるのであろうか。

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投資家は世界中の投資機会にシームレスにアクセスすることができるようになる。また、契約内容が担保された上で超過収益を手にすることもできるようになる。これまで銀行のような機関投資家にしかアクセスができなかった投資機会に、個人が参加できるようになるかもしれない。

銀行預金のように一定の金額が保護されるような運用先ではないが、スマートコントラクトを活用して安定して利回りを得られるような新たな投資案件が出てくればどうだろうか。

これまでであれば、ファンドや投資信託でなければアクセスできなかったような案件に直接アクセスでき、またファンド運営者や信託銀行に報酬を払わなくともよくなればどうだろう。リスクがあると認識した上で、いま以上に預金から投資に資金がシフトする可能性は高い。

 

預金者から見た際の銀行の価値は、「銀行口座にある預金を決済に利用することができること」と、預けた預金を運用して増やしてくれる「資産形成の手段」としてだ。

預金者が銀行にお金を預けて得られる対価は利子である。その利子の源泉は、銀行による貸出や有価証券投資を行った結果としての利益(時には損失)である。利子の源泉は、銀行による投資機会の目利きとリスク管理によるものなのだ。

スマートコントラクトが普及した状況で、現在のように銀行に預金として預けている状況が続くだろうか。たとえば、これまで現金や預金として保有していた資産の情報をブロックチェーン上に載せることができ、自分の「デジタル・ウォレット」に保有できるようになればどうか。

銀行預金をしても利子がつかない状況であれば、銀行に預ける理由はない。決済もスマートコントラクトを活用して、銀行口座を介しなくともシームレスにできるようになっているかもしれない。そもそもシームレスに自分の「デジタル・ウォレット」から決済できるため、プリペイドという概念すらなくなっているかもしれない。

そうした環境で銀行に残る最終的付加価値は、投資機会の発掘と目利き、そして顧客へのアドバイスだけかもしれない。投資機会にシームレスにアクセスはできるようになっても、どの投資機会が投資家にとって最適なのかのはわからないままだろう。その中で銀行は、どう生きるかを決めなければならない。