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「消える銀行、残る銀行」これからどう生き残っていけばよいのか?

銀行に残された最後の「付加価値」とは
泉田 良輔 プロフィール

魅力的な決済手段の提供を

銀行が決済で銀行口座を持っていることで便利な点といえば、デビットカードであろう。日本で広く普及しているとはいいがたいが、これを使うのであれば、間違いなく銀行口座に預金があることに意味がある。

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また、日本ではクレジットカードの引き落としは銀行口座を通じて行われる。使われ方として、クレジットカードが実際はデビットカードのように使用されることが多いからだ。デビットカードではないが、1回払いであれば、(支払い日と締め日によって変わってくるが)支払いから1か月ほど後に口座から引き落とされる。

銀行が目先でやらなければならいことは、プリペイド方式や異業種がテクノロジーを活用してくる新たな決済手段に対して、魅力的な決済手段の提供と、それに絡めた預金拡大である。それが銀行として存続するために必要となる。

預金をもとに行われる貸出や投資機会を積極的に見出し、銀行が収益ポイントにしていくことができた仕組みが、結果としてビジネスモデルになっていく……。

 

ちょっと待て、これは本来銀行に求められている役割であり、これまでのビジネスモデルと変わりはない。先の黒田日銀総裁のコメントにもあるように、貸出の需要掘り起こしや有価証券投資では国債よりも期待収益率の高い投資先は、探せば数多く存在する。預金から投資信託等に資産を動かしたり、投資銀行業務のようにカスタムメイドの商品を提供することでも手数料収入は増える。

しかし、よく考えれば、こうした業務は金融機関であれば当然であり、目新しい内容ではない。また、日銀総裁に言われるようなことでもない。つまり、黒田総裁は一言でいえば、金融機関に「がんばれ」といっているに過ぎない。

では、がんばれば銀行は報われるのか。実際はテクノロジーの進歩が引き起こす環境の変化は、銀行にとってはそれほど簡単な問題ではない。