アメリカの金融政策と新興国の「通貨の動向」を読む

売り圧力が高まる可能性

9月25日、26日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC、米国の金融政策を決定する会合)では、事前予想の通り0.25ポイントの利上げが行われ、政策金利(フェデラル・ファンド・レート、FFレート)は2.00~2.25%に引き上げられた。FOMCの後、主要な新興国の通貨は米ドルに対して底堅く推移した。

その背景として、FOMC参加者の多くが「2020年に利上げが打ち止められる」との予想を示したことが大きい。それは、米金利の上昇警戒感を低下させ、新興国通貨の先行き安心感を高めたようだ。ただ、問題は2019年の利上げ予想がばらついていることだ。利上げ予想が高まるに伴い、新興国通貨への売り圧力は高まる恐れがある。

 

9月のFOMCの重要ポイント

9月のFOMCで重要なことは、新たに2021年までの経済環境に関する参加者の予想が示されたことだ。今後の利上げに関する予想を見ると、本年にあと1回、2019年には3回、2020年に1回の利上げが見込まれている。2021年に関しては、政策金利が前年から変わらないとの予想が示された。

2020年のどこかのタイミングでFRBは利上げサイクルを終了する可能性がある。それまでは、FOMCの予想に沿って段階的な利上げが続けられるだろう。理由は、米国の経済には利上げに耐えられるだけの強さが備わっているからだ。特に、昨年のトランプ減税の影響は大きい。それによって好調だった米国経済がさらに勢いづいた。

4~6月期の実質GDP成長率は前期比年率で4.2%と、米国経済の実力(1.8%)を上回った。景気は過熱気味だ。わたしたちの体力と同じく、実力以上の経済成長を維持することはできない。今後GDP成長率の水準は低下(減速)するだろう。では、経済成長率がマイナスにまで落ち込む可能性があるかと考えると、それは想定しづらい。

その理由は、労働市場の改善が維持され、賃金が緩やかに増加しているからだ。足許、個人消費も堅調に推移している。当面、米国の景気は緩やかな回復を続けるだろう。2019年から2020年の前半にかけて景気の減速は避けられないとしても、経済が大幅に失速し景気後退に陥ることはないだろうというのがFOMC参加者の景気認識といってよい。

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