「90%の確率で来る巨大地震」で生き残る行動、命を落とす選択

どんな準備をしていたかが生死を分ける

あまりに頻発する大地震に、危機感がマヒしてきた人もいるだろう。場所や時間によってまったく違う危険に脅かされるのが地震のおそろしいところ。自分は大丈夫だと思っていると、命とりになる。

動かない、出られない、歩いて降りられない
エレベーターほど怖いものはない

「地震があったときはマンション19階の自室にいました。水と電気が止まってしまい、暗闇のなかスマホのライトを片手に、ミネラルウォーターを買いに行きました。

しかしエレベーターが止まっているので階段で降りるしかない。重い水を持って何度も昇り降りを繰り返し、復旧するころには疲労困憊でした」(札幌市に住む40代男性)

9月6日未明、北海道を最大震度7の地震が襲った。このとき、北海道では約9000台のエレベーターが停止し、タワーマンションの高層階に住む人々は水の汲み上げも止まり、多くの世帯で生活に支障をきたした。

よりおそろしいのは、強い揺れが都市部を襲ったとき、エレベーターの中に閉じ込められるケースだ。国土交通省によると、先の北海道の地震では23台のエレベーターで中に人が閉じ込められる事態が発生したという。

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直下型地震や南海トラフ地震といった大規模災害がいつ襲ってきてもおかしくない大都市には、多くのタワマンや高層ビルが林立する。

こうした建物は、倒壊を防ぐ設計になっているものの、エレベーターが停止した場合の対策が十分に講じられていない場合が多い。一度孤立状態になれば、自衛隊や警察の助けが来るまでに数日かかることもありえる。

最近のエレベーターには「地震時管制運転装置」の導入が義務付けられ、地震を感知すると自動的に最寄りの階に停止し、扉が開く設計になっているが、未導入の機体もいまだに多い。

日本エレベーター協会の調査による「最悪のケース」では、首都圏直下型地震が起これば、最大1万7000人がエレベーターの中に閉じ込められるというからおそろしい。

もし地震のとき、エレベーターに乗っていたらどうすればいいのか。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏はこうアドバイスする。

「揺れを感じたら、急いで進行方向の階の停止ボタンをすべて押し、止まった階ですぐに降りてください。

万が一閉じ込められた場合でも、無理に扉をこじ開けようとせず、非常通報ボタンを押し、管理事務所やメーカーと連絡を取り、携帯電話でも外部に連絡しましょう。

幸いにして、これまで震災で『エレベーター内の閉じ込め』が原因で亡くなったケースは報告されていません。密室空間で強い不安を感じるかと思いますが、無駄に体力を消費せず救助を待ったほうがいいでしょう」

 

高層マンションの住民は、大地震の際に「二重の恐怖」を味わうことになる。エレベーターに閉じ込められる恐怖、そしてライフラインが止まり、「高層難民」として孤立するリスクだ。

高層階に住み、階段の昇降が大変な高齢者は、電気が復旧するまでの2~3日は耐えられるように、水や非常食の備えが必要である。

地震による災害は、どこで起きるか、自分がどこにいるかで大きく性質が異なってくる。さらに、発生した時間帯によっても、身に迫る危険はそれぞれ変わる。

自分や愛する家族を守るため、どのようなことに気を付ければいいのか。順を追ってみていこう。