なぜ沖縄県知事選の世論調査は「あてにならない」と言われるのか

数字で測れない沖縄の論理
石戸 諭 プロフィール

最終的に蓋を開けてみると、世論調査の結果通りになっていた。世論調査は統計学の手法を踏まえて、現場の実感以上に世論を映し出すと痛感させられた。

だが、沖縄の現実はもう少し複雑だ。

「名護であれだけ読みを外した以上、今回の選挙は本当に読みにくいものになっている。もし、この選挙の情勢を読み解いたという人がいるなら連れて来てほしい」(地元紙幹部)

 

自民・公明が狙う「終盤の挽回」

「自民・公明が県知事選で狙っているのは名護市長選の再来でしょう」と語る記者は多い。

最初にリードされるまでは想定内。自民、公明の組織力で挽回し、人気の高い議員も終盤に投入して逆転する――。そんなシナリオがまことしやかにささやかれている。

台風が迫る9月27日の沖縄・那覇市の大型ショッピングモール「イオン那覇ショッピングセンター」でマイクを握ったのは名護市長選で勝利を呼び込んだとされる、小泉進次郎氏だった。

「接戦」「追っている」ことを強調する佐喜真氏と選挙カーに上がり、にこやかに支持を訴えた。沖縄入りはもう3度目である。極めて異例と言っていい。

「接戦」の根拠は、当然ながら自民党の世論調査だろう。

対するオール沖縄は、名護市長選の結果も踏まえ「いつでもどこでも基地問題を一丁目一番地で押し出すのではなく、経済も語り、何より急逝した翁長さんの遺志を継ぐことを打ち出す」(陣営幹部)方針を徹底させている。

9月28日、奇しくも前日の佐喜真氏と同じ場所で演説をした玉城氏が最後に語ったのは「イデオロギーよりアイデンティティー」という翁長氏のキャッチフレーズだった。最初から最後まで選挙カーに立たず、路上から訴えた。

選挙戦は最終盤に差し掛かり、激しさを増している。沖縄のメディアにとって選挙で注目すべきは勝敗だけではない。世論調査の結果がどこまで正確だったのかも重要な論点だ。最後は結果が教えてくれる。