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EC全盛の今でも勝ち残る「まんだらけ」中古販売ビジネスの秘密

他には真似できない価値熟成戦略
大原 浩 プロフィール

コレクターは集めた商品を売りたがらない

さらに「コレクターは集めた商品を売りたがらない」ことも重要である。コレクターが生きているかぎり、なかなか手元の商品は売らずにひたすら新しいアイテムを求めて買い続ける。売るときは、どうしても欲しい他のアイテムを手に入れる現金を手に入れるためとか、子供の教育資金や、結婚式の費用など限定的だ。

そして、コレクターが死去して初めて、相続人がコレクターズ・アイテムを売却することになる。相続人にとっては、「価値が理解できない」ものが大半のはずだから、ネットで個別に販売するのではなく専門業者に一括して販売するケースが多いはずである、その際に「まんだらけ」の知名度と特殊な商品を大量にさばくことができるマーケットへの影響力が大いに役立つはずだ。

 

さらには、まんだらけはほとんど配当を行わず、利益のほとんどを商品の仕入れに費やしている。

よく「大人買い」という言葉が使われるが、子供の時の小遣いでは買えなかったガンプラも、大人になれば簡単に買える。しかし、子供の時に欲しかったガンプラは、今はもう売っていないから、当時の新品の「中古品」を大枚はたいても手に入れようとするのである。

だから、コレクターズアイテムは、年月を重ねるごとにその価値を増し、ほぼ確実に値上がりするのである。

したがって配当をせずにアイテムの仕入れをせっせと行う古川社長の判断は極めて正しい。

もちろん、高齢化がさらに進んでいけば買い手も減る(=この世から消える)理屈だが、最近では親の影響で色々な古いキャラクターやグッズにはまる若者も多い。

また、アイテムも物だから長い年月の間に壊れたり、汚れたり、紛失したりする。だから、コレクターズアイテムの希少性は基本的に保たれるのである。

私が執行パートナーを務める人間経済科学研究所でのスタディでは、既存の経済学とは全く異なり、「人間は数字で計測できない不合理な存在」であるととらえる。コレクターズアイテムと同じく、機械式時計への人々の執着もその1つである。

最近はさすがにあまり見かけなくなったが、少し前までは100円ショップでデジタル腕時計をよく見かけた。時間を知るだけなら100円とは言わなくても数千円のデジタル腕時計やスマホで十分である。ところが、多くの人々が数十万円、数百万円を出して、デジタルよりも時間精度が落ちる機械式時計を喜んで買う。

人間が物に対して実用性以上のものを求める限りまんだらけのビジネスモデルは安定的である。

【なお、本記事はいわゆる株式銘柄の推奨を目的にしていません。投資判断は自己責任にて行ってください】