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EC全盛の今でも勝ち残る「まんだらけ」中古販売ビジネスの秘密

他には真似できない価値熟成戦略
大原 浩 プロフィール

風雲児まんだらけ

まんだらけといえば、インターネット上に公開した万引き犯の顔のモザイクを「外すか、外さないか」で、世間を騒がせたことを覚えている読者も多いはずだ。

この行為には色々な議論があると思うが、世間を騒がせて「まんだらけで万引きすると恐ろしいことになるぞ」と思わせながらも、最終的には警察の要請を受け入れて万引き犯の顔を公開しなかった手腕は大したものである。

これで警察も、まんだらけで万引きをした犯人をより一層厳しく追及せざるを得なくなったわけだから……。

 

まんだらけは、その名のとおり「マンガ専門古書店」とされるが、実際にはマンガ以外の多様なマニアグッズも取り扱っており、前記の万引き犯が盗んだのも鉄人28号のフィギアだったそうである。

まんだらけや創業者の古川益三氏については、ぜひ『まんだらけ風雲録』(太田出版)を参照いただきたい。かなりユニークで楽しめる本である。とても残念なことに、現在絶版になっているがアマゾンやまんだらけ? で中古本を入手できる。

発展の過程で、当時は相場が確立していなかった漫画本に対し、初めて適切といえる価格設定を行い、古書としての取引を確立させたのはブックオフと同じ発想のビジネスモデルである。

また、通販用に写真目録「まんだらけ漫画目録」を作成したのも画期的なことだ。その結果、これが古本漫画取引相場の基準となる。

このように「業界標準」となった企業はいわゆる「マ―ケットメーカー」であり、業界に強い影響力及ぼすことが出来るという意味で「競争優位」に立つのだ。

現在はコレクターズアイテム全般を収録した「まんだらけZENBU」を発行している。

各店舗に何らかのコスプレをした店員を常時配置させたことでも話題となったが、言ってみればディスニーランドのように、ホスト(=店員)も夢の世界(=オタクの世界)の一員になりきって、顧客をもてなすわけだ。ディズニーランドもそうだが、このような企業文化は一朝一夕にはできないので、後発に対する強力な「参入障壁」になる。

現状、将来への投資費用が先行して、利益は伸び悩んでいるが、まんだらけの扱う商品のネット販売との親和性を考えると、いち早く倉庫などに先行投資し、ネット通販に大幅シフトした判断は正しいと考えている。

そもそも、当初からまんだらけの店舗は全国に数えるほどしかなく、顧客がわざわざ遠くから足を運ぶビジネスモデルであったのだ。

それだけ手間をかけても唯一無二の商品を手に入れたいというのがコレクター(マニア)心理である。ネットの発達がコレクターたちの行動範囲を広げ、まんだらけの新たなビジネスチャンスを生み出している。

極めて値付けの難しい商品の評価を行う「まんだらけZENBU」を定期的に発行し、マーケットメーカーの地位を確立しているという信頼性のおかげか、東南アジア向けなどの海外ネット通販が好調のようだ。