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貿易戦争、金融戦争の次に起こる「米中対立」恐怖の最終展開を読む

制裁関税、資産凍結、そして…

中国に不利な報道ができない理由

米中貿易戦争は激化の一途を辿っている。米国のトランプ政権は、中国に対する制裁関税の第4弾に踏み切る構えだ。勝敗の行方ははっきりしている。中国の敗北である。本当の戦いは「その後」に控えている。

先週のコラム「米中戦争を招いた『そもそもの原因』に触れないマスコミの愚」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57602)は、大きな反響をいただいた。中国による知的財産侵害の被害を被っているのは米国だけでなく、日本企業も同じだ。

 

中国は自国に都合の悪い報道を見つけると、強烈な圧力をかけて黙らせてきた。そうした事例は先週紹介した産経新聞だけでなく、枚挙にいとまがない。

トランプ大統領補佐官のピーター・ナバロ氏は著書『米中もし戦わば』(文藝春秋)で、米通信社のブルームバーグが2012年、習近平国家主席を含む当時の中国共産党幹部による巨額蓄財を報じると、中国は同社の金融情報端末の不買運動を仕掛けた顛末を紹介している。

情報端末販売は同社のドル箱事業だ。「すると、ブルームバーグは中国に関する硬派のニュース報道事業から撤退してしまった。…(同社)会長は中国市場の重要さを認め、『われわれは中国に残る必要がある』と語った」(同書)。

同じく蓄財問題を報じたニューヨーク・タイムズやブルームバーグは翌年、何人もの記者がビザ更新を拒否された。中国報道に携わる記者で、この話を知らない人はいない。中国に不利な報道をすれば、どういう目に遭うか、だれもがよく分かっている。だから、自主規制してしまうのである。

貿易戦争を報じるのは、経済部記者とワシントン、北京の特派員たちという事情もある。上に述べた事情で、北京特派員が中国に都合の悪い話を書けるわけがない。経済部記者や米国の特派員も中国を批判して、中国の同僚を困らせたくない、という配慮が働く。

日本のマスコミに「だれか勇気ある記者はいないのか」などと期待しても無駄だ。彼らはサラリーマン集団である。会社と同僚に迷惑をかけるような真似はできない。

こうした事情を念頭に置いて考えれば、日本のマスコミがトランプ政権の対中制裁を「保護主義だ」と非難し、中国の言い分に同情的な理由も分かるだろう。そんな解説や報道を真に受けていては、事の本質は分からなくなってしまう。

そのうえで、本題だ。

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