ニッポンの名車が眠る「宝箱」日産の秘蔵コレクションがスゴすぎる

ハコスカ、ケンメリ、ZにGT-R…

伝説の「モンスターマシン」

使い勝手の良いクルマが重宝される一方で、90年代にはかつての「モンスターマシン」が復活し、サーキットで大暴れするようにもなった。「スカイラインGT-R」(R32型、1989年発売)――。

スカイラインGT-R

70年代の「ケンメリ」以来16年ぶりに復活した「GT-R」で、最高出力280馬力を誇る直列6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。状況に応じて前・後輪に最適なトルク配分をする「アテーサETS」という電子制御システムにより、当時の世界トップクラスの運動性能を実現した。

「『GT-R』を名乗るクルマは、負けるわけにはいきません。このクルマには、ミッドシップのプロトタイプ『MID4』で開発した四輪駆動技術をはじめ、最新技術を惜しみなく投入。全日本ツーリングカー選手権では4シーズン29戦全勝という大記録を打ち立てました」(中山氏)

そして21世紀に入ると、CO2削減・省エネが常識になり、環境に優しいクルマが求められるようになった。時代の要請に応え、日産はいち早くリチウム電池を搭載した電気自動車の開発に着手。写真の電気自動車は、2000年から6年もの間、北極にある国の機関「北極圏環境研究センター」で活躍した電気自動車だ。

北極で務めを果たした電気自動車

「現代の電気自動車では当たり前になったリチウムイオン電池を、世界で初めて採用した市販車です。このクルマは北極の大気を採取する仕事に活躍しました。電気自動車は寒さに弱いという印象があるかもしれませんが、このクルマはマイナス数十度という極寒の環境で使用されても、まったく故障しませんでした」(中山氏)

こうして培われた技術は、2010年に発売され、電気自動車として世界最多の28万台を販売した「リーフ」の誕生に繋がっていった。

一方、2000年代に復活を遂げた名車もいる。「フェアレディZ Z33型」

フェアレディZ Z33型

当時、既存のZシリーズは2000年8月をもって生産終了、その系譜は途絶えるかと思われていた。だが、世界中から復活を望む声が沸き上がり、かねてからZを高く評価していたカルロス・ゴーンCOO(当時)が新モデルの開発を決断。2002年にお目見えとなった。

「Zの伝統を残しつつ、縦型のドアハンドルや三角型のテールランプなど、随所に新しい発想が取り入られています。21世紀にふさわしいZと言えるでしょう」(中山氏)

驚くべき保存状態

「日産ヘリテージコレクション」の館内にはこのほか、輝かしい戦績を残したレーシングカーやラリーカー、トラックやバン、消防車、パトロールカーといった「働くクルマ」など、ありとあらゆる日産車が展示されている。いずれも保存状態は驚くほどに良好だ。

「私たちがこだわっているのは、生産当時とまったく同じ状態を保つこと。そのため、レストアする際は徹底して行います。欠損しているパーツがあれば、当時と同じものを入手するか、作り直して取り付けています。

また、所蔵しているうち約半分のクルマは、1~2週間程度の時間をいただければ、エンジンを整備して、かつてと同じように走らせることもできます」(中山氏)

日産グローバルブランドエンゲージメント部・中山竜二氏

半世紀以上も前に生産されたクルマが、今も最高のコンディションで生き続けている――それほどまでに「ホンモノ」にこだわる背景には、「技術の日産」の矜持がある。

「先人が遺してくれた数々の名車を、正しい形で次世代に伝えていく。それが私たちの使命だと思っています」(中山氏)

過去、現在、そして未来へと、自動車の歴史を一度に体感できる日産ヘリテージコレクション。あなたの「青春の一台」にも、必ず出会えるはずだ。

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(取材・文/平井康章、写真/竹澤宏、動画撮影・編集/横井孝宏)