ニッポンの名車が眠る「宝箱」日産の秘蔵コレクションがスゴすぎる

ハコスカ、ケンメリ、ZにGT-R…

華麗なる「初代Z」の勇姿

60年代を彩った『伝説のクルマ』も、静かに眠っている。1965年に登場した「スカイライン2000 GT」

1963年発売の2代目スカイライン(S50型)を大幅にパワーアップさせたグランドツーリングカーで、125馬力という高出力エンジンを搭載。最高速度は時速180km、国産最速のスポーツセダンとして勇名を馳せた。

スカイライン2000 GT(左)と、ベースとなった1500 デラックス

「1963年から始まった自動車レース『日本グランプリ』に勝つために作られた、スペシャルマシンです。鈴鹿サーキットで開催された翌64年のレースでは、最終的には敗れたものの、本格レーシングカーのポルシェ904を1周回だけ抜くことができた。これが『ポルシェを抜いたクルマ』という『スカイライン伝説』の始まりでした」(中山氏)

そして時代が60年代から70年代に移る頃、誰もが一度は憧れたあのクルマが登場する。「フェアレディZ S30型」(写真はフェアレディZ432)だ。

フェアレディZ432

それまで発売されていたスポーツカー「ダットサン・フェアレディ」に「Z」の文字を加えて1969年暮れに発表された同車は、当時珍しかったハッチバックを採用。スポーツカーでありながら荷室が大きいという実用性が高く評価され、世界累計52万台販売の記録を打ち立てた。

「当時は『スポーツカーといえばオープンカー』が自動車業界の常識でしたが、オープンカーは実用性に乏しく、ニーズが減っていました。そこで、高速巡行を楽しめる一方、日常の足としても使えるスポーツカーを作ろうということで、このフェアレディZが生まれました」(中山氏)

その流麗なスタイリングは、発売から50年近く経った今なお斬新で美しい。

ちなみに、「Z」の由来は諸説あるが、中山氏によれば「フェアレディが究極の進化を遂げたことを表すために、アルファベットの最後の文字、つまり『究極』という意味の『Z』を付けたようです」という。

 

ケンとメリーのスカイライン

同時期に、もうひとつの名車も誕生している。1968年に発売された「スカイラインC10型」。当時の流体力学の粋を集めて設計されたこのクルマは、当時のキャッチコピーから「愛のスカイライン」、また角ばった武骨なデザインから後に「ハコスカ」の愛称で親しまれた。

特に人気が高かったのは、レース用に設計された「スカイライン2ドアハードトップ2000GT-R」

「外見は他のハコスカと全く同じですが、エンジンの性能が段違い。無類の速さを誇り、国内のツーリングカーレースでは前人未到の累計52勝を達成しました」(中山氏)

「ハコスカ」。中央が2000GT-R

1970 年代のクルマの中では、印象的なテレビCMがお茶の間の話題となった「スカイラインC110型」(1972年発売)がひときわ目を引く。

「『ハコスカ』の頃から、スカイラインのCMは『若いカップルがツーリングに出かける』という設定でした。4代目となるC110型のCMでは、このカップルに名前を付けようというアイデアが出て、男性は『ケン』、女性は『メリー』と呼ぶことにしたんです。なぜこの名前になったのか、定かでないんですが(笑)。語感の新鮮さが話題になって『ケンメリ』の愛称で親しまれ、スカイラインシリーズで歴代最高の66万台を販売しました」(中山氏)

「ケンメリ」スカイライン。写真は2000GTX

ちなみに、C110型はレース仕様の「スカイライン2000 GT-R」も発売されたが、排ガス規制が強化されたことに伴い、わずか4か月で販売を終了。約200台しか生産されなかったため「幻のGT-R」と呼ばれ、現在ヴィンテージカー市場では数千万円の高値で取引されているという。