ウユニ塩湖は実は標高3700m…「あの絶景どうやって生まれた?」

自然現象はかくも美しい
増田 明代 プロフィール

実は標高3700mにある「ウユニ塩湖」/ボリビア

ウユニ塩湖/photo by iStock

ウユニ塩湖は、南米大陸にあるアンデス山脈の中にあります。面積は四国の三分の二ほど。標高はおよそ3700m。富士山頂とほぼ同じくらいの高地にある、想像を絶するような巨大な塩湖です。

気候は、雨の多い11~4月の「雨季」と、雨の降らない5~10月の「乾季」に分かれています。とりわけ素晴らしいのが、湖面が巨大鏡と化す雨季のウユニ塩湖。

観光客や周りの山々などをくっきりと映し出し、まるで天空に立っているかのような不思議な光景を見せてくれるのです。

その秘密は乾季になるとわかります。乾季のウユニ塩湖は、強風と乾燥によってすっかり干上がってしまい、湖底からどこまでも広がる塩の大平原が現れます。

敷き詰められた塩の厚さはなんと12m。しかも表面の高低差は、わずか50㎝というのですから、地球上でもまれにみるほぼ真っ平の大平原です。

そんな真っ白で、真っ平なところにうっすらと水が張るため、水面は凹凸のない美しい鏡になるのです。深い湖では波が立ちやすく、なかなかきれいな鏡面を見ることはできません。

では、なぜ大量の塩が海辺でもない、標高3700mの山脈の中に存在するのでしょう。

実はアンデス山脈は、地殻変動によって太古の海底が隆起してできた山。海水ごと地面が盛り上がったために、大量の海水がそのまま山中に残されました。当時は地球がいまよりずっと寒冷だったため、海水は氷河として取り残されたのです。

その後、気温が上昇し氷河が溶けて、山間の窪みに巨大な塩湖をつくりだしました。
解凍された海水に加え、その後、周囲の山に降った雨は、岩に含まれる塩分を溶かしながら塩湖に流入し続けます。湖には流出する川もなかったため、塩分は濃くなるいっぽうでした。

標高は高く、緯度もほぼハワイ並みとあって日差しは強烈です。水分はどんどん蒸発し、雨季と乾季を繰り返すうちに、広大なウユニにまんべんなく塩水がいきわたりました。こうして見渡す限り広がる巨大な塩湖が誕生したのです。

 

世界各地の絶景は眺めて楽しいうえ、子供から高齢者まであらゆる年齢層の好奇心をいたく刺激してくれます。ただ、どうしてこの景色が誕生したのか、科学的に解き明かすのはけっこう難しいもの。

他にも、グランド・キャニオン、エンジェル・フォールなどの絶景や、オーロラ、ダイヤモンド富士といった自然現象まで、絵本『なぜこうなった? あの絶景のひみつ』では、あの奇跡の光景が生まれる理由を、科学的に紹介しています。専門的には知識がなくても分かるように優しく説明されているので、ぜひお子さんと一緒に御覧ください。