ウユニ塩湖は実は標高3700m…「あの絶景どうやって生まれた?」

自然現象はかくも美しい
増田 明代 プロフィール

六角形だらけの海岸線「ジャイアンツコーズウェイ」/イギリス

ジャイアンツコーズウェイ/photo by iStock

北アイルランドの海岸に大きな石の柱が並んでいます。大きさは違っても石の形はほとんど同じ、六角柱です。

真上から見ると直径40~50cmの六角形で、横から見ると最大で高さが12m以上ものもあります。その数、約4万本。そんな石柱がぎっちりと約8kmにわたって海岸沿いを埋め尽くしているのです。

これが“巨人の土手道”すなわち「ジャイアンツコーズウェイ」です。

まるで人の手でつくられたオブジェのようですが、正真正銘「柱状節理」という自然現象でできた光景です。「柱状」は柱の形をした、という意味で「節理」とは割れ目のこと。では、六角形の規則正しい割れ目は、どのように誕生したのでしょう。

 

まず、火山活動が活発になると、地下数kmにあったマグマが地表近くまで上がってきます。(地熱によって岩石がどろどろに溶けたものを「マグマ」と呼びますが、地表に出ると「溶岩」といいます)

地表に出たての頃は、高温でどろどろしている溶岩もやがて冷え、最後は固まって火山岩になります。その過程で溶岩全体が縮もうとして、亀裂が生じるのです。

この亀裂のでき方がユニークです。体積が縮む際、あらゆる方向から均等に力がかかるのですが、そのときに最も生じやすいのが、三方向に向かってできる割れ目です。三ツ矢サイダーやベンツのマークを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

この割れ目が隣の割れ目につながることで、六角形の柱状節理が隙間なくつくりだされていきました。

17世紀後半、この摩訶不思議な景色が新聞で紹介されると、地元は蜂の巣をつついたような大騒ぎになりました。人がつくったのか、自然にできたものか。教会の司教から学者たちが大真面目に議論を戦わせたからです。それからおよそ80年後、ようやく真実が判明し、激しい論争に終止符が打たれました。

またこの光景は人々の想像力をいたく刺激したようで、スコットランドの島に住む女性に恋をした巨人が、彼女を呼び寄せるために作った道だ、という伝説もうまれました。

同じような光景は、火山大国である日本各地でも見られます。兵庫の「玄武洞」、佐賀の「七ツ釜」、福井の「東尋坊」と、さまざまな柱状節理が人気の観光名所になっています。

六角形は、自然界において特別な形です。蜂の巣や雪の結晶、トンボの目や亀の甲なども、みんな六角形。不思議なパワーを秘めた形状であることは間違いありません。