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ウユニ塩湖は実は標高3700m…「あの絶景どうやって生まれた?」

自然現象はかくも美しい

地球上に広がる「絶景」の数々。人の手がいっさい入っていないにもかかわらず、いったいどうしてこんな形になったのか。自然がつくった美の秘密を、科学的にわかりやすく解き明かしていきます。

真っ白な階段が並ぶ「パムッカレ」/トルコ

パムッカレ/photo by iStock

トルコの首都アンカラから南西へ約400km。ここに「パムッカレ」と呼ばれる不思議な風景が広がっています。石灰岩の「白」と、温泉水の「青」。そのコントラストが、息を呑むような美しいパノラマを生み出しています。

もともとこの地は石灰岩でできた丘陵地です。一見、白い棚が階段状に重なっているように見えますが、実はすべて小さな池。一つひとつの棚は、湧き出た温泉水でひたひたに満ち溢れている状態です。そして、この白い段々畑のような地形は「石灰棚」とも呼ばれています。

では、この石灰棚はどうやって誕生したのでしょう。簡単に説明すると、以下の3つのプロセスを歩むのです。

① 石灰岩が雨によって溶かされ、地面に染み込む
石灰岩の主成分は炭酸カルシウム。これはサンゴや貝殻と同じ成分で、歯磨き粉やチョークの原料にも使われています。炭酸カルシウムは本来、真水には溶けず、炭酸水には溶ける性質をもっています。

「酸性雨」なんて言葉があるように、雨は空気中の二酸化炭素を含んで、弱酸性の水となります。これによって、炭酸カルシウムが溶け出し、地下に貯まっていきます。

 

② 温泉水となって再び地上に!
二酸化炭素と炭酸カルシウムが溶け込んだ地下水は、マグマによって温められ、温泉として地上に湧き出します。

すると、温泉水は地下の圧力から解放され、炭酸が抜けていき、酸性濃度が薄まります。加えて、水分も蒸発するため、炭酸カルシウムは溶解していられず、析出してしまうのです。

③ 斜面の小石や葉っぱに、炭酸カルシウムが溜まる
温泉は絶えず、丘の上に湧き出し、斜面を流れ落ちます。

その途中、斜面に小石や葉っぱの切れ端などがあると、そこに炭酸カルシウムが溜まり、「縁」が現れはじめます。そうして出来た縁が次第に盛り上がり、堤防のように成長していき、結果として新しい石灰棚が形成されるのです。

「パムッカレ」とはトルコ語で「綿の城」を意味します。白い石灰棚が白い綿のように見えること。またこの地方では昔から綿の栽培が盛んに行われていたことから、綿の城と呼ばれるようになりました。

「城」という言葉が使われているように、一見人工物のようにも見えるパムッカレ。しかし、すべて自然現象によって生み出された風景です。これを神様のイタズラと呼ばずなんと言いましょう。

ちなみに、日本人に負けず劣らず大の風呂好きだった古代ローマ人は、この地に侵攻した際、さっそく源泉のそばに浴場を作りました。

浴場には運動施設を完備し、近くには劇場なども建てたくらいですから、現代のスパリゾートを思わせるような豪華設備だったにちがいありません。源泉の温度は35度。リウマチや内臓疾患に効くとされ、紀元前2世紀には、多くの湯治客で賑わっていたようです。