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芸能人の終活トラブルが続出する理由…平尾昌晃、高倉健、宇津井健

やしきたかじん、そしてビートたけしも

平尾正晶の3男が、遺産をめぐり現夫人と争い

作曲家・平尾昌晃の3男で歌手の勇気(37歳)が、9月25日、記者会見を開き、平尾の遺産を巡り、現夫人のMと争っていることについて事情を説明した。

平尾の元チーフマネージャーで50代のMは、昨年10月、平尾の音楽出版権管理会社とマネジメント会社の社長に就任。その経緯に不正があったとして、勇気は東京地裁に「取締役の職務執行停止」などを申し立て、受理されたという。

平尾は、昨年7月、79歳で逝去。最初の夫人との間に長男、2番目の夫人との間に次男と勇気を儲けており、13年に結婚したMとの間に子供はいない。従って、事務所が所有する社屋やタワーマンションなど不動産約8億円に、毎年1億に達するという著作権料などの資産は、Mと3人の子供で分け合うことになる。

ところが、勇気らが調査した結果、著作権はMが単独で受け取り、2社の株式と運営権もMが密かに行った工作で、彼女のものになったという。その是非は、これから争われるが、会見に同席した公認会計士は、「後妻ビジネスの極悪非道版」と、決めつけた。

 

資産家が亡くなると、遺産を巡って骨肉の争いが起きるのは洋の東西を問わない。ことに芸能人の場合は、私生活の奔放さが許される側面もあり、平尾のように権利関係が複雑化、そこに亡くなった人とのつながりの濃淡や相続人の欲望の強弱もあって、メディアを巻き込む騒動になりやすい。

「後妻ビジネス」という言葉で激しくバッシングを受けたのが、やしきたかじん(本名・家鋪隆仁)の妻・さくらだろう。14年1月、食道ガンでたかじんが死去(享年64)。死に至るまでの夫妻の愛情を、人気作家の百田尚樹が、『殉愛』(幻冬舎)として著し、32万部のベストセラーになったことから、さくらは献身的な妻として讃えられた。

しかし、美談を強調するあまり、たかじんの長女や親族、マネージャーなどを「悪人」に仕立て上げるという百田流の作法が批判を浴び、それがさくらにも及んで、「10億円の資産を狙った後妻業」として批判された。さくらは、「たかじんメモの捏造疑惑」まで報じられた。

私は当時、遺産相続を巡る問題というより、「ベストセラーの作られ方」という観点から取材を重ね、百田にも会って批判的に報じた。その過程でさくらにも会ったが、2人の筆跡はあまりに違い過ぎ、捏造までしたとは思えず、一方向に流れるバッシングの恐さを感じたものである。

作家の黒川博行が、14年8月、直木賞受賞後の第一作として『後妻業』(文藝春秋)を上梓しており、言葉も含めて絶妙なタイミングであり内容であることが、後妻業ビジネスとして伝搬した面もある。

 
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