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経営陣か契約社員か…「50代銀行員」転職の大きな分かれ目

銀行員の「転職の損得」3
メガバンクの大幅な人員削減、店舗の統廃合、AIの台頭……。自身のキャリアを考えざるをえない状況が続く中、銀行員の転職が急増している。
しかし、一度高いステータスを手に入れた彼らにとって、転職することは本当に望ましいことなのか?
自身も元銀行員から転身し、『失敗しない銀行員の転職』の著書もある渡部昭彦氏が3回に渡って銀行員の「転職の損得」を考える短期集中連載、第3回。最終回となる今回は、40代、50代の銀行員の転職の実情を見ていこう。
・第1回:30代で1000万…高給取りの銀行員が転職するのは本当にトクか?

40代と50代の転職はどうなる?

第1回、第2回の記事でも述べたが、銀行に限らず日本における昨今の転職模様を、転職する側ではなく採用する側からの視点で年代別に整理すると概ね以下の通りだ。この4分類に基づき銀行員の転職の損得を考えたい。

①20代→第2新卒(的)採用
②30代→ポテンシャル採用
③40代→プロフェッショナル(専門性)採用
④50代→二極化採用(経営陣か契約社員か)

本稿ではいよいよ、40代と50代の転職について、詳しく見ていこう。

 

40代からは「銀行に残る」ケースも考える

30代のポテンシャル採用と方向感が反対だが、40代の転職は専門性に依拠した転職が中心だ。ゼネラリスト志向の銀行での該当者は必ずしも多くはないが、ハマればビッグチャンスではある。20代・30代と同じく企業をカテゴリーに分けて考えてみる。

ⅰ)外資系企業
金融機関が中心の転職先となるが、外資系での40代はマネージングディレクターを含む上級管理職のレイヤーだ。グローバルに対応できる語学力やビジネスセンスは当然として、チームを率いる(食べさせる)だけの顧客基盤や専門性が必要になる。

従ってこの年代は邦銀からの初めての転職は稀で20代・30代で外資系に転職した人材が再度の転職で動くケースが一般的だ。ただし初めての転職でも、金融法人担当など邦銀勤務者が強みを持ちやすい特定の分野で顧客基盤を持っている場合はハイポジションでの採用もある。

外資系金融機関のマネージングディレイターは億円単位の年収が期待できるポジションであり経済的な魅力は大きい(寿命を縮めるとも言われているが)。

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ⅱ)ベンチャー企業
リスクを取りにくい年代でもあり、創業間もないアーリーステージの企業に行く人はあまり多くない。ある程度のビジネスの目鼻立ちが見えてきた会社、例えば数年内にIPOが見えてきた会社にCFOや企画担当として入るケースが一般的だ。

年収は良くて1000万円前後であり、やはりダウンは必至だ。従って、ストックオプションなどのエクイティメリットを確保することは当然だが、それ以上に事業への興味や確信を持つことが必要だ。親方日の丸のサラリーマン感覚ではまず務まらない。自ら事業を引っ張る心意気が不可欠だ。

また似たようなケースで投資ファンドの投資先に同じくCFOで入るケールも少なくない。この場合、年収はもう少し上で1000万から1500万円位のレンジだ。これにストックオプションが付くのが一般的であり、まずまずと感じられるかも知れないが、IPOであればともかく、所謂トレードで同業の事業会社に売却された場合は、職を失うこともままある。従ってこちらの場合は、次々に会社を動いて行くことへの覚悟が必要だ。