「介護貧乏」回避のため、これだけは知っておきたい介護保険活用法

人生100年時代のマネーシフト(15)
加谷 珪一 プロフィール

脳梗塞、転倒…介護は突然やってくる

では介護サービスというのは具体的にどのようにして受けるものなのだろうか。

介護保険を使ったサービスを受けるためには、まずは要介護認定を受ける必要がある。これがないと、そもそも制度の利用ができないので、何はともあれ、要介護認定を受けることが先決である。要介護認定の申請は、住んでいる市区町村の窓口で行うが、本人が申請できない場合には家族による申請も可能となっている。

 

この手続きについては各市区町村に設置されている地域包括支援センターでも行ってくれるほか、病院のソーシャルワーカーが支援することもある。

そろそろ介護が必要になってきたので申請をしたいということであれば、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談ということになるが、徐々に体が動かなくなり、介護を検討するというケースはそれほど多くない。

脳梗塞で倒れて入院し、回復を果たしたものの一部にマヒが残り、そのまま介護に移行する、あるいは、転倒してケガを負い、体の自由が効かなくなって介護に移行するなど、入院がきっかけとなるケースが意外と多い。

脳梗塞は突然襲ってくる〔PHOTO〕iStock

脳梗塞やケガは突然やってくるので、ゆっくり準備することができない。この場合には、病院のソーシャルワーカーとやり取りしながら要介護認定の申請を行うことになるだろう(少し話はそれるが、脳梗塞になった場合、家族が迅速に発見できるようにしておくことや、転倒しないよう日常生活を工夫することも介護リスクを減らす重要な対策といえる)。

介護認定を受けるまでの1カ月をどう乗り切るか?

申請が受理されると、ケアマネージャーなどが訪問し、生活状況などについて聞き取り調査を行う。その後、かかりつけ医による意見書が提出され(入院している場合は主治医の診断書)、これらをもとに要介護レベルが判定される。

要介護認定が行われるまで、2週間から1カ月の期間が必要となるので、この間の生活をどうするのかについては、事前にしっかり考えておいた方がよい。

要介護レベルが決まり、担当のケアマネージャーが付いてようやく介護サービスを受ける準備が整う。どのような介護サービスを使うのかといった、いわゆるケアプランを作成するのはケアマネージャーの仕事であり、これがその後の生活スタイルを大きく左右する。

よい介護を最適な費用で受けるためには、ケアマネージャーとの良好なコミュニケーションが何よりも重要となる。どのような支援があり、費用がどの程度かかるのかなど、納得できるまでケアマネに質問し、よく理解した上でサービスを使う必要があるだろう。

では具体的に介護保険を利用する場合、家計の負担はどの程度なのだろうか。このあたりについては次回のマネーシフトで取り上げたい。