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キッコーマンのレストラン、「コース1万2000円」にした深い理由

いまの「繁盛店」に投げかけるある疑問
山下 知志 プロフィール

3人が心を砕いたのは、料理の味だけではない。食器や箸、カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)から、レストラン空間やテーブル、椅子にいたるまですみずみに気を配ったという。

レストランの内外装は、国内海外で数多くのデザイン賞を受賞しているDesing Eight代表取締役の藤井信介氏が担当。洗練された空間が演出されている。

 

垂涎の料理を「1万2000円」にした深い理由

美味しい料理は美しいといわれるが、店内の雰囲気や什器、食器も視覚を刺激するうえでとても大切な要素だ。

村田:「器は、半端なく高いものを使っているわけではありませんが、きちんとした作家さんに食文化の国際交流、融合というコンセプトを理解してつくっていただき、和洋中どれを盛り付けても違和感のない仕上がりになりました。店内は、座席の生地にいたるまで、徹底してこだわりぬいた空間です」

脇屋:「盛り付けに使う器は和食器的なところもあり、洋食器的なところもあって、どう盛付けたら、どういう風に映えるかがすごくよくわかる。いろいろなジャンルのシェフたちが使ってもまったく問題ありません」

もっとも気になるのは、コース料理の値段だ。オープニングに食の3賢人を迎えたことで、値段も相当に高いのではないかと思ってしまう。それがなんと、11月のコースは1人1万2000円(税込・サービス料10%別途、飲料代別途)だ。程よい値段なのである。

村田:「もしキッコーマンさんが、値段の高い高級レストランをつくろうということだったら、たぶん協力してはいなかったと思います。近ごろの料理の値段や店そのものが、一部でバブルと化しています。たとえば、寿司屋さんでは、以前ならば1万5000円くらいで食べられたのに、いまでは5万円くらいになっている店がある。そうかと思えば、向こう何カ月も先まで予約でいっぱいという店があります。いったいどうなってしまったのでしょうか」