貧困問題に取り組んできた僕が「ケンカツ」全話を観て思ったこと

10月から生活保護基準が変わる中で
大西 連 プロフィール

メディアは利用者を問題視するが…

と、ここまで書いて、ではドラマの内容が放送されてネガティブであったかというと、決してそうは思わない。

生活保護制度はこれまで主にニュースなどを中心に、制度の在り方やその問題点についてメディア等でたくさん論じられてきた。

特に、2012年にお笑い芸人の母親が生活保護を利用しているという週刊誌の報道があって以降は、生活保護制度は「問題を抱えている」という視点で論じられてきた。

たとえば、「働ける人が利用している」「不正受給が多い」「受給者増が国(自治体)の財政を圧迫している」「働いている人よりもお金を多くもらっている」などが代表的であろう。

これらのよくある言説に対しての反論は少し長いが下記の記事(2012年と2017年に書いた記事)を参照してもらえればと思うが、生活保護利用者側に問題の原因を求めるスタンスが多いのが特徴だ。

 

しかし、当然ながら、現実には生活保護利用者側にのみ制度の問題点の原因を求めるのはナンセンスであろう。

日本の経済状況、非正規労働の拡大や少子高齢化に核家族化などの問題、生活保護制度以外の低所得者支援の不備など、社会環境の問題は大きい。

2013年以降、不正受給対策などを名目に、生活保護法の改正等がおこなわれているが、生活保護利用者への管理の強化と考えることができる。