日本人の多くがいまだに知らない「沖縄の本音」

知事選で問われる日本の民主主義と良心
木村 朗 プロフィール

沖縄の声は全然届いていない

日本政府・国家権力に迎合する本土の大手メディアの偏向報道によって、日本人の多くの人々に伝えられていない沖縄の声は、次のようなものだ。

・「沖縄が自ら基地を提供したことはこれまで一度だってない」
・「沖縄にこれ以上、基地の負担はあり得ない。日本全体で考えて欲しい」
・「沖縄に対立や分断を持ち込んでいるのは政府であって自分たちではない」
・「子や孫たちのためにもこんな沖縄の環境(基地の過重負担、騒音・事故・事件や戦場と隣り合わせの日常生活)を変えたい」
・「安保が重要であれば、その責任と負担は全国民(日本国民全体)が引き受けるべきではないか」
・「沖縄は世界の平和の拠点になるべきだ」
・「沖縄経済発展の最大の阻害要因は巨大な米軍基地の存在である」
・「基地に依存しない沖縄の経済発展は実現可能であり、沖縄にとって必要でもある」
・「基地がなくなれば沖縄は大きく発展する」(故翁長雄志・沖縄県知事)
(アジアとの交流の拡大:ハワイよりも多い観光者数、観光収入とも1.6、1.7倍。沖縄経済の基地依存は年々減少して、現在では5%足らずとなっている)
※参考文献:沖縄タイムス社編集局編『これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地』、および佐藤 学 /屋良 朝博(共編) 『沖縄の基地の間違ったうわさ――検証 34個の疑問(岩波ブックレット)
〔PHOTO〕gettyimages

「魂の飢餓感」という故翁長知事の叫び、恒久平和を求め続ける「沖縄のこころ」、日本政府とそれを後押しする日本本土の多数派の人々による構造的差別と不条理の解消を求める沖縄県民の声に応えるかのように、「沖縄は孤立していない」「沖縄は一人ではない」という声が世界中の心ある人々から寄せられている(乗松聡子編『沖縄は孤立していない(世界から沖縄への声、声、声。)』金曜日を参照)。

国際社会、とりわけアジアから孤立しているのは沖縄ではなく日本であることを私たちは知るべきである。

これまで私たち無関心を装ってきた日本本土の人々がいかに沖縄問題という日本問題に向き合い、それにどう応えるのかがいまほど問われているときはない。

日本の民主主義と良心が試されているのだ。