# 税金

アメリカの31倍という試算も…!高すぎる「自動車の税金」その実態

税制改正の焦点はクルマ関連の減税だ

トヨタ社長発言の衝撃

「自動車ユーザーの税負担は、世界一高い」「大きな変化が迫っており、従来の自動車税制の議論では競争力や雇用の維持が難しくなる」―-。

日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は先週木曜日(9月20日)の記者会見で、こう述べて、2019年度税制改正で自動車を巡る抜本的な税制の見直しを迫った。

自動車は日本からの輸出の20.6%(16兆1092億円) を占め、雇用全体の8.3%(539万人)を抱える日本の基幹産業だ。ところが、昨今はガソリンエンジンの誕生・定着以来、「100年に一度」と言われるイノベーションに直面しているうえ、トランプ米政権が仕掛ける貿易戦争もあり、海外に生産拠点が流出する“空洞化”の危機に瀕している。

その危機に追い打ちをかけそうなのが、来年10月に迫った消費税の増税だ。豊田会長はこの日の会見で、問題の増税が、自動車の国内販売を30万台押し下げ、9万人分の雇用を消失させる、と強い危機感をあらわにした。

もともと、日本は自動車ユーザーに重い税負担を課してきた。保有段階でかかる税負担がすでに、イギリスの2.4倍、ドイツの2.8倍、アメリカの31倍に達するとの試算もある。

経済産業省や経団連は日本自動車工業会と足並みを揃えて、自動車を巡る抜本的な税制改革を2019年度税制改正の重要課題だと主張しているものの、肝心の財務省や総務省、自民党税制調査会の「税金」議員らは冷ややかな姿勢を崩していない。しかし、この機に酷税状態を解消しないと、消費者をいじめ、産業を滅ぼす事態に陥りかねない。

 

アメリカの31倍

まず、自動車ユーザーの税負担をみておこう。税目は、取得時に支払う自動車取得税と消費税、クルマの保有にかかる自動車重量税、自動車税、軽自動車税、そして走行すると必要な揮発油税、石油ガス税、地方揮発油税、軽油引取税、加えて燃料にかかる消費税と、全部で9種類もある。

そして、9種類合計の税収額は2018年度の当初予算で8兆3521億円と膨大で、税収全体(102兆円)の8.2%に相当する。取得、保有時の税でいちばん税収が多いのは自動車税の1兆5258億円、次いで消費税の1兆4130億円となっている。

結果として、日本はクルマを持つだけで多額の税負担を求められる。日本自動車工業会によると、「排気量1800cc、車両重量1.5t以下、燃費15.8km/ℓ、車体価格180万円、為替レートを1ユーロ=131円、1ポンド=151円、1ドル=112円」などの前提を置き、日本のエコカー減税等の特例措置を考慮せず、13年間保有すると、まったく走行しなくても日本では67万3千円が必要。これは冒頭で記した通り、イギリスの2.4倍、ドイツの2.8倍、アメリカの31倍という水準である。

もちろん、実際に走るのも過酷である。同じく日本自動車工業会が有料道路料金、自賠責保険、リサイクル料などを加算する形で試算したところ、年額は13万1000円になる。これは、よく「高い」と言われる携帯電話の使用料(2018年の年間使用料は7万6000円、MM総研調べ)のおよそ1.7倍に達する計算だ。若者のクルマ離れが言われて久しいことも頷ける。