金融機関が絶賛する「ドル・コスト平均法」は大いなるペテン…?

純金積立、投信積立にご注意を
荻原 博子 プロフィール

「ドル・コスト平均法」はペテン

例えば、投資できるお金が6万円あったとします。わかりやすくするために、「ドル・コスト平均法」で毎月1万円ずつ株を買うとしましょう。

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1ヶ月目が一株100円なら、1万円で100株買えます。2ヶ月目に一株80円なら125株買えます。3ヶ月目が一株40円なら250株、4ヶ月目に一株80円なら125株、5ヶ月目に一株200円になっていたら50株、6ヶ月目に100円なら100株買えます。

すると、半年で750株買えるので、トータルすると一株あたりの株単価は80円になります。最初に100円で買っても、「ドル・コスト平均法」で買えば80円になるのでリスクが減るという説明です。

けれど、もし6万円あり、「ドル・コスト平均法」など使わずに買ったらどうなるでしょう。

1ヶ月目が一株100円で100株買い、2ヶ月目に一株80円で125株買い、3ヶ月目が一株40円で250株買う。けれど、4ヶ月目に一株80円になったら、前の月の40円よりも高くなっているので、自分で買う場合は購入を見送るという選択ができます。

さらに、5ヶ月目の200円、6ヶ月目の100円も見送れば、3万円で475株を買っていますから、一株あたりの単価は約63円。「ドル・コスト平均法」よりも、はるかに安く買えます。少なくとも、一株200円になったものをわざわざ買うマヌケな人はいないでしょう。

これは、積立投資信託でも、同じことです。しかも、積立投資信託の買い付けは、多くの商品が月に1回、あらかじめ決まった日に行われます。

 

投資は、安い時に買って値上がりしたら売るから手数料を支払っても儲かるのですが、高かろうが安かろうが決まった日に買ってしまうという、とんでもない買い方をしているのが「ドル・コスト平均法」を使った買い方です。

繰り返しになりますが、投資というのは、安い時に買って値上がりしたタイミングで売るから儲かるのです。タイミングもへったくれもなく売り買いするというのは、それだけ投資リスクを高めることになります。

大量のお金を扱うプロの投資家が、いちいち市場への目配りができないので「ドル・コスト平均法」を使って毎日平均的に買ってコストを安定させるというような思惑で使うなら悪い方法ではないかもしれませんが、個人投資家で、投資できるお金が1000万円以内の人なら、もっと目配りして利益を上げる方法はいくらでもあるはずです。

少なくとも、値上がりした時には買わないというルールを決めれば、「ドル・コスト平均法」には勝てます。

ただ、売る側にとっては、「ドル・コスト平均法」を錦の御旗に掲げれば、手間がかからず毎回必ず手数料が入ってくるという大きなメリットがあります。しかもノーリスクで。

けれど、皆さんにとっては繰り返しになりますが、高い手数料を支払って、高い投資商品を買わされてしまうことになりかねない。

「初心者向け」などと言いながらこんな商品を販売しているのは、まさに初心者をカモにしているとしか思えません。