# 韓国

韓国・文在寅大統領の「支持率回復訪朝」に感じる強烈な違和感

朝鮮半島の安定にはつながらない

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮を訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談を行った。その背景には、支持率の低迷に直面する文氏の苦境が伺える。最低賃金引き上げ公約の撤回や側近のスキャンダルを受け、文大統領の支持率は低下してきた。9月上旬には、大統領就任以降初めて支持率が50%を下回った。

文大統領は北朝鮮との融和姿勢を強調することで支持率の回復につなげたい。問題は韓国の北朝鮮融和政策が朝鮮半島情勢の安定よりも、先々の不確実性を高める恐れがあることだろう。韓国などとの対話を経て北朝鮮の強気度は増しているように見える。文大統領の北朝鮮政策が朝鮮半島情勢の安定につながるとは考えづらい。

 

支持率回復狙い

現在、韓国文政権の政策運営にはかなりの手詰まり感が出ている。文氏は政府主導で所得の格差を是正することと、北朝鮮との融和を促進することを目指した。それは、朴前政権への不満を抱く有権者からの人気を確保するためだ。すでに、最低賃金の引き上げは国内企業からの反発を受けて頓挫した。

従来であれば、韓国の為政者は支持率の回復のために中国との関係を重視しただろう。朴前政権はまさにそうだった。しかし、今の中国には韓国にかまっている余裕はない。習近平国家主席は社会不満が増大することに神経質になっている。米朝首脳会談を経て北朝鮮問題の緊迫感も表面的には落ち着いた。中国は米国との貿易戦争や景気対策などに注力したいはずだ。

文政権に残された人気取り政策が北朝鮮との融和促進だ。今回の南北首脳会談の開催は、支持率挽回のための切り札といっても過言ではない。首脳会談は、板門店ではなく北朝鮮の首都・平壌で行われた。その上、文大統領は北朝鮮の革命の聖地と呼ばれる白頭山(ペクトゥサン)を訪問した。

それは、北朝鮮との親密ぶりを韓国世論にアピールしたいという文氏の意気込みの表れといえる。その狙いは相応の結果を得たようだ。訪朝を受けて韓国の世論は文大統領への支持率を高めているからだ。同時に、韓国の北朝鮮融和政策は金正恩委員長を勢いづかせ、米国などに様々な要求を突きつけることにもつながるだろう。

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