再統合を目指す六代目山口組でくすぶり出した司派と高山派の暗闘

キーマンは任侠織田代表【溝口敦特別寄稿】
溝口 敦

難問だらけのなかで

考えてみれば、山口組の組長は終身なのだ。5代目・渡辺芳則組長の引退は自分が強いたこととはいえ、渡辺5代目が例外のケースであって、自分は死ぬまで組長の座にあっていいはず。

司組長がおおよそこのように考えを進めたとしても不思議はない。つまり山口組の再統合は司組長の覚悟のほどが問われ、六代目山口組という組織内にメスを入れる行為でもあるのだ。

統合に当たっては、なにも任侠山口組だけが綱渡りの組織運営を強いられるわけではない。司組長がメスを入れる行為は当然、母体となる弘道会に司派と髙山派という亀裂を生むかもしれない。

 

司組長にとって、亀裂は必ずしも望ましいことではない。しかし、来年10月、周りから高山若頭との世代交代を告げられるくらいなら、亀裂は払っていい費用だろう。すでに司派には、かつての高山派も加わっている。

「高山命」という幹部たちがゆっくり「司命」へと宗旨を変えようとしている。もちろん織田の復帰を策した一般人の使者についた六代目側の直参も。歴とした司派である。

しかも明日の山口組を考えたとき、山口組改革は必然といっていい。たとえばカネ漬けの組運営、上厚下薄の集金法、他団体とのうじゃじゃけた交際、貧窮化する一方の組員たち、日ごとに狭まる警察の包囲網、市民の暴力団敵視、台頭する半グレ勢力……——何をとっても、暴力団の死命を制する難問だらけではないか。

こういう中で任侠の織田代表は、山口組がはじめて持った組織改革者なのだ。司組長の思惑がどういう結果になろうと、六代目山口組が織田代表を受け入れようと受け入れまいと、彼がヤクザ改革という座標の真ん中にいることは間違いない。