そのドキドキ、本当に大丈夫? あなたの命を削る「心房細動」の秘密

長嶋さんを倒し、益子さんを襲った……
からだとこころ編集部 プロフィール

不整脈の種類ってこんなにある

では、どんな不整脈が危険なのでしょうか?

まずは、不整脈にどんな種類があるのか見てみます。不整脈は、「脈の乱れ方」と「異常のありか」によって、いくつかの種類に分けられ、それぞれ危険度も違いますます。

  不整脈の種類(『不整脈・心房細動がわかる本』より一部改変)
【表】危険度別不整脈の種類
  危険度別にみたおもな不整脈(『不整脈・心房細動がわかる本』より一部改変)

しかし、こうした不整脈のタイプを見極めるには、医療機関を受診して、きちんと検査を受ける必要があります。さきほどとりあげた「見過ごさないようにしたいサイン」を自覚したり、健康診断で再度検査が必要と指摘された場合などは、早めに検査を受け、医師の診断を受けましょう。

とくに、このあとご説明する「心房細動」などをはじめとして、1年に1回の健康診断では見つけにくいタイプの不整脈もありますので、日ごろから自分で脈を観察する「検脈」の習慣をつけておくと良いでしょう。

加齢とともに進行する「心房細動」

心房細動は、だれでも起きる「期外収縮」に次いで多くみられる不整脈で、年齢が高くなるほど起きやすくなります。

日本では、高齢化の進行を反映してか、100万人を超える人が心房細動をかかえていると考えられています。さらに、自分では気づいていない”隠れ心房細動”という人も少なくありません。突然襲った脳梗塞でわかった人もいます。

   心房細動の特徴  

  • 年齢とともに起きやすくなる 基本的には中高年に起きる
  • 脳梗塞の原因になったり、心不全につながったりするおそれがある
    脳の血管に血栓が詰まる脳塞栓、長期にわたることで心臓に負担がかかり心不全になることがある
  • 少しずつ進行していく 初めは時々起きる程度だが、慢性化していく
  • 治療できる 根治を目指す場合も、悪化しないようコントロールしていく方法もある

確実に悪化する、自然治癒のあり得ない病気!?

心房細動は基本的には老化現象のひとつという面がありますが、年齢以外に体質、全身の状態などが関係します。特に年齢以外の面では、心房細動の人には、肥満や飲酒・喫煙などの生活習慣の問題を抱えていたり、生活習慣病を併発している例が少なくありません。自ら減らせる要因は、減らしていく必要もあるでしょう。

心房細動は進行性の不整脈ですので、自覚症状がほとんどなくても確実に進行していきます。進行しても、心房細動そのもので命を奪われるおそれはほとんどありませんが、脳梗塞や心不全を起こす危険性は高まります。

【チャート図】進行度から3つに大別される心房細動
  進行度から3つに大別される心房細動(『不整脈・心房細動がわかる本』より)