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そのドキドキ、本当に大丈夫? あなたの命を削る「心房細動」の秘密

長嶋さんを倒し、益子さんを襲った……

「この間の会社の健康診断で、心電図でひっかかってさ」なんていう人、意外に多いのではないでしょうか。心電図は不整脈の検査では欠かせないものです。一口に「不整脈」といっても、いろいろなタイプがあるそうですが、最近、しばしば耳にするのが「心房細動」です。

あの長嶋さんの脳梗塞の原因が心房細動といわれていますし、最近ではバレーボール元日本代表の益子直美さんが心房細動で手術を受けたことを公表しています。心房細動とはどんな病気なのでしょうか?

東京慈恵会医科大学 循環器内科山根禎一教授が監修した『不整脈・心房細動がわかる本』から、不整脈の何が危険なのか、心房細動はどのような点が怖いのか、ご紹介します。

その不整脈、放ってたら……

大人の脈拍数は、通常、安静時で1分間に50~90回程度。心臓の規則正しい動きに合わせ、トン、トンと規則的に拍を刻んでいます。この拍の数が通常より極端に増えたり、逆に極端に少なくなったり、リズムが乱れたりする状態を不整脈といいます。

脈は、心臓の動き(心拍)と連動しているので、不整脈が起きているときには、心臓の動きにもまた、通常とは違った乱れが生じています。

【図】脈拍と心拍の関係と脈の触れるところ
  脈拍と心拍の関係と脈の触れるところ(参考『不整脈・心房細動がわかる本』)

心臓の大部分は、心筋という筋肉でできており、この心筋が収縮を繰り返すことで、血液を全身に送り出しています。心筋の動きは、電気信号によりますが、この電気信号が乱れると、心臓の動きが乱れ、不整脈を生じます。

心臓の刺激伝導系
  心臓は電気で動く(参考『不整脈・心房細動がわかる本』)

一瞬の乱れ、つまり不整脈の症状はだれにでも起きる普通のことで、気づかずに起こっていることもあります。期外収縮といわれる乱れは、健康な人でも1日に数十回、多いときは数千から数万回起きることもあります。

ただ、〈症状が持続する〉〈めまいがある〉〈失神する〉などの場合は要注意です。

異常な電気信号によって、心室(上図参照)の心筋がけいれんを起こしていたり、逆に電気信号がなんらかの原因で途絶えてしまったりすれば、心臓は血液を送り出せず(急性心不全)、そのまま回復しなければ死に至ります。

そこまででなくても、心臓の動きが悪くなれば、血液の流れが悪くなり脳梗塞の原因となる血栓ができるなど、さまざまな問題が起きてきます。

  見過ごさない方がよいサイン(『不整脈・心房細動がわかる本』より)

危険度の高い不整脈かどうかチェックし、危険な場合は適切な治療を受ける必要があります。