米中冷戦、食糧もエネルギーも輸入依存の中国全面降伏で終わる

トランプの貿易戦争は火をつけただけ
大原 浩 プロフィール

貿易戦争、米国の真の目的

米中貿易戦争の議論の中で抜け落ちているのが「貿易戦争」は本当の殺し合いをする戦争の一部であるということである。

「天井の無いアウシュビッツ」と呼ばれるウイグルの問題を米国が最近クローズアップしてきたのは、「貿易戦争」と呼ばれるものが実は貿易だけの問題では無いということを如実に示している。

米国を差し置いて「日中国交回復」を実現した田中角栄元首相は、米国の逆鱗に触れてロッキード事件でつぶされたと巷で噂されるが、米中国交回復は1978年。日中国交回復に遅れること6年でようやく実現した。

自由主義を信奉する米国は、もともと共産主義独裁国家を毛嫌いしていたのである。

ただ、米中国交回復以後は「豊かになれば共産主義独裁国家もいつか民主化するのでは無いか?」という考えで積極的に中国の発展を支援した。米国だけでは無く欧州でもその考えが主流であった。

ところが、米国の背中が見えるほど巨大になったにもかかわらず、共産主義中国の民主化は一向に進展せず普通選挙さえいまだに実現されていない。行われているのは共産党が仕切る翼賛選挙だけだ。

それどころか、習近平氏は、大躍進と文化大革命で中国人民を大量虐殺した毛沢東を目指すとまで言い始めている。

 

さらに、前述のように「天井の無いアウシュビッツ」は見過ごせない状況になってきている。また、南シナ海などでの領土的野心を隠さない行為も米国を大いに刺激しているはずである。

多くの日本人同様、米国民も「共産主義中国に恩をあだで返された」と感じているに違いない。

「いつか民主化するのではないか」という甘い考えが幻想であることが分かれば、共産主義中国にどのように米国が対応すべきかは明らかである。

関税だけでは無く、中国企業の米国内の活動そのもの国防上の観点から大幅に規制しようとするZTEに対するようなアクションは、まさに「戦争に備える国防問題」なのである。

北朝鮮のICBMが米国本土に届くかもしれないということが話題になり、それを阻止することがトランプ大統領にとって重要課題だが、共産主義中国の核兵器やICBMは、米国にとってそれをはるかに上回る現実の軍事的脅威なのである。

ただ、現在、徴兵制を停止(制度そのものは現在も存続。停止したのは議員の息子が徴兵されることによって、ベトナム反戦運動が激化したため)している米国が、米国の若者の血を大量に流す本物の戦争を長期間続行するのは、国民からの人気を人一倍気にするトランプ大統領が避けたいことである。

北朝鮮や共産主義中国などのならず者国家は、その事情を見透かしているフシがある。