映画『君の膵臓をたべたい』オフィシャルHPより

泣けるという宣伝が苦手な私が、いまさら『キミスイ』にハマった理由

よくある難病ものかと思ったら…

食べず嫌い

「泣ける」とか「感涙」とうたわれている映画や小説は、敬遠してしまう。

結果として「涙が出る」ことはあっても、「泣く」ことを目的に映画を見ることはない。

だから、『君の膵臓をたべたい』(住野よる作)という「泣ける」小説がベストセラーになり、映画も大ヒットしていることは「知識」としては知っていたが、読もうとも見ようとも思わなかった。

ところが、8月19日日曜日の夜、大河ドラマを見終わり、9時からなにか見ようかと新聞のテレビ欄を見て、「話題になっていた映画だな」と思い、つまらなければ消せばいいという、きわめて消極的な態度で映画『君の膵臓をたべたい』(月川翔監督 http://kimisui.jp/#/boards/kimisui)を見ていたら、はまってしまった。

予備知識としては、タイトルは猟奇的でキワモノっぽいけど、難病もの・純愛ものらしい、という程度。主演の浜辺美波と北村匠海と監督の月川翔についても「名前を知っている」程度。

何の期待もせずに見た。

「泣き」はしなかったが、これはいいな、と思ったのだ。

そこであわてて原作の住野よるの小説を買って読み、映画も、amazonのprime videoで映画をさらに3回見て、マンガ版も読み、9月1日に公開された劇場用アニメ(牛嶋新一郎監督 https://kimisui-anime.com/)も見た。

小説に一番近いのは桐原いづみ作画のマンガで、次がアニメ、実写映画はかなり脚色されている。

そのなかでは、最初に見たこともあり――主演の浜辺美波が気に入っているだけかもしれないが――実写映画がいちばんよくできていると思う。以下も、実写映画を中心に述べる。

ベストセラーと大ヒット映画なので、ストーリーについては、「ネタバレ」を気にせずに書かせていただくが、映画を見て驚いた衝撃の出来事については伏せておこう。

 

敬遠していた理由

まず、私自身が敬遠していた理由とそれが誤解であることから。

なんといっても、刺激的なタイトル『君の膵臓をたべたい』に引いてしまう。

だが、猟奇的な話ではない。本のカバーを見れば分かるように、ピュアなイメージの「青春小説」である。

君の膵臓をたべたい

このタイトルをめぐっては版元内でも議論があったと思う。タイトルに惹かれて読んでみようと思う人もいれば、その逆に敬遠する人もいるはずだ。敬遠する人が多ければ、売れない。どうするか、という議論が。

私は発売直後に書店に平積みになっているのを見て、タイトルとカバーのイラストのミスマッチに、思わず手にとったのを覚えている。

そして内容紹介を読んだら、「彼女の余命が膵臓の病気になり、もういくばくもない」というようなことが書かれていたので、猟奇ものではないのは分かったが、なんだ「難病もの」かと思い、買わなかった。「難病もの」に偏見があることを認める。