「ウチの子供と結婚して…!」“代理婚活”に奔走する悲痛な親心

連載「婚難の時代」第1回
共同通信 生活報道部取材班 プロフィール

「親の希望に応えられない」…反発と申し訳なさ

一方の子どもは自分に代わって必死に婚活している親に何を思うのか。

「ありがたい」と「放っておいて」が半分ずつーー。芽衣は両親に対する正直な気持ちをこう表現する。

女子高出身で、卒業後は女性が多い製菓の専門学校に通ったため、異性と話すのが苦手。友人に誘われて合コンに参加したときも、その場の雰囲気になじめず「早く帰りたい」としか思えなかった。

27歳の時、親が持ってきた縁談がとんとん拍子に進んで婚約。しかし、さまざまな事情が重なり、両家で話し合って破談になった。「本当にその人のことを好きだったのかはよく分からない。でも侮辱されたようでつらかった」と振り返る。 

そんな娘の将来を思って30代に入ってからも、両親は見合い話を次々と持ってきた。

 

しかし、実際会っても、明らかにやる気がない態度だったり、デート中に道に迷ったりと、相手に落胆してばかり。会話が続かず30分足らずでお開きになってしまったこともあった。

今まで「いいな」と思った男性はいない。

最近は、会う前に写真と身上書が返ってくることが多い。身上書には、料理教室に通い、趣味でアクセサリーを作っていることなど、家庭的で器用な部分をアピールしている。実際に会いもせずに断られる理由が分からず、困惑してしまう。

理想は少し年上で離婚歴がなく、会話が楽しく、たばこを吸わない人。専業主婦になって、子どもも欲しいので、収入が安定している人がいい。

とはいえ、「家事手伝い」で会社勤めではないため、普段の生活で異性との出会いはなく、好きな人もいない。だから、おっとりした自分に代わって熱心に代理婚活をしてくれる両親には感謝している。

普段は結婚についてプレッシャーをかけてくることはほとんどない母から「あなたの年齢のとき、お母さんは子育てのまっただ中だったんだからね」と言われたとき、「お母さんはお母さん、私は私でしょう」と少し強い口調で返した。

「耳障りなことを言われると反発してしまうのは、親の希望に応えられていないのが分かっているから」。

交流会から1年あまり。まだ芽衣の結婚相手探しは続いている。

(※文中仮名、年齢は取材当時のもの)

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