「史上最年少・女性・元ウェイター」左翼議員はオバマの後継者になるか

トランプ現象のもう一つの側面
海野 素央 プロフィール

ダイバーシティ・プラザの集会では、若い参加者の姿も大勢見ることができました。彼らの声も紹介しましょう。オカシオ=コルテス陣営でのボランティアを志願した、フォーダム大学2年生の女子学生と1年生の男子学生です。

まず、女子学生にオカシオ=コルテス候補支持の理由を尋ねると、彼女は自信に満ちた態度で次のように語りました。

「私は、16年の民主党予備選挙ではバーニー・サンダースに投票しました。進歩的民主主義を支持しています」

ニューヨーク市クイーンズ区ダイバーシティ・プラザでの集会で、有権者と話すオカシオ=コルテス候補(筆者撮影)

男子学生も同様です。

「私は民主党支持者ですが、中道主義に反対です。特に、公立学校の授業料無償化政策を支持しています。ツイッターやフェイスブックを通じてオカシオの支持者が献金する額は小口ですから、(ほかの議員が受けているような)大企業からの大口献金とはまったく違うんです」

 

庶民の代表vs.大企業の代表

オカシオ=コルテス候補の選挙戦略を分析すると、いかにベテランのクローリー候補の弱みを突くかを重視し、メッセージを発信していることがわかります。「クローリー氏は選挙区の有権者ではなく、ウォール街や不動産業界のPAC(Political Action Comittee、政治活動委員会)から大口献金を受けている」というものです。

事実、クローリー下院議員は先の予備選挙にあたって150万ドル(約1億6780万円)もの選挙資金を集めています。一方のオカシオ=コルテス候補は、たった30万709ドル(約3364万円)とクローリー議員の約5分の1にすぎません。彼女はPRビデオでも献金額の少なさを訴え、「庶民の代表vs. 大企業の代表」という対立構図を作ることによって、献金額のハンデを逆にアドバンテージへと変えました。

またオカシオ=コルテス候補は、PRビデオで地下鉄に乗る姿や靴を履き替える姿を映像に盛り込み、庶民的なイメージを前面に出すとともに、「私はあなたと同じ普通の人間です」というメッセージを有権者に送っています。筆者が実際にオカシオ=コルテス候補と会って話した限りでは、彼女の豊かな表情やジェスチャーといった非言語コミュニケーションも、男性候補に比べて大きな武器になっていることは間違いありません。