最先端分野のAI(Artificial Intelligence:人工知能)は、自動運転など幅広い分野での活用で非常に注目されています。また、マーケティングなどにおいて、膨大なデータから傾向を導き出す統計分析も脚光をあびています。
それら最先端分野のソフトウェア開発で主流となっているプログラミング言語がPython(パイソン)です。
Pythonは科学技術計算に強いといった特長があり、最先端分野で必要とされる高度なプログラムを効率よく作成できます。文法がシンプルでわかりやすく、他言語に比べてすんなり習得しやすいことから、プログラミングの入門者にも人気が高い言語です。
Pythonの用途は今後もさらに広がり、需要はますます高まるでしょう。これまでプログラミングに無縁だった方や小中学生が、Pythonでプログラミングを学び始めるのが当たり前になりつつあります。
本書では、そのPythonの使い方を、プログラミング経験のない入門者でも理解できるよう、丁寧に解説します。
プログラミング言語の学習には、いくつかハードルがあります。ハードルを越えていくために重要なのは、一気にいくつも学ぶのではなく、一歩一歩確実に学んでいくことです。
本書では、3つの作例を用い、その完成を目指して、ゼロから少しずつプログラムを書いては、そのつど動作確認するパターンを繰り返し、段階的に作り上げていく方法で解説します。
3つの作例の概要は次のとおりです。AIの開発など、高度な先端分野のプログラミングではありませんが、みなさんが普段パソコンで行う作業の自動化に直結するものなので、すぐに利用できるものばかりです。
関数、変数、条件分岐、繰り返しといったプログラミングの基礎をしっかり学びながら、高度で複雑なことを簡単に実現できるPythonの醍醐味も体験できる作例となっています。
▼作例1
デジカメなどで撮影した写真の画像ファイルを自動整理するプログラムです。指定したフォルダー内にある複数の画像ファイルについて、撮影日ごとにフォルダーを自動で作成し、移動します。こうしたプログラムによって、手作業でのファイル整理に費やしていた膨大な時間と手間をゼロにできます。
▼作例2
Webページに表示されるデータを取得し、保存する「スクレイピング」のプログラムです。インターネットに公開された情報の収集に日々追われている人は少なくないでしょう。その作業を自動化するプログラムの基本を学べます。
▼作例3
作例2で取得・保存したデータを分析するプログラムです。標準偏差などの統計分析を行ったり、散布図を作成したりします。
ある機能を実現するプログラムの書き方は何とおりかあります。本書では、プログラミング未経験の入門者にとってわかりやすい書き方で解説していきます。その書き方で作例を完成させたあと、プログラムのメンテナンス面などを考慮した書き方に変更していきます。
入門者にとってわかりやすい書き方で進めていくので、着々と理解していけるのです。解説手順のとおりにプログラミングするだけで、プログラムが正しく動くことを楽しみながら、自然とPythonのプログラミングに馴染んでいけるでしょう。
Pythonは用途が広い分、入門者の方はどこから学習を始めればよいのかわかりにくいものです。
本書では、3つの作例をそれぞれゼロから作り上げていきますから、それがたとえ解説手順どおりにやっただけでも、「自力でプログラミング」をすることになります。
入門者のみなさんには、まず本書をとおして、Pythonのプログラムを作り上げる体験をしていただきたいと思います。
そして「プログラミングってこういうことか!」「なんだ、やってみたら自分にもできるじゃないか」と思っていただけることを願っています。
※『入門者のPython』にはサポートページも用意されています。こちらからどうぞ!