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堀江貴文イノベーション大学校から学び取る「新時代の働き方」

脱サラリーマン思考を身に着けよ

大反響を呼んだ記事「まもなく、サラリーマン絶滅社会がやってくる」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57367)。第二回目は、サラリーマン的働き方が限界を迎えるなか、「新しい働き方」のヒントとなる、ある組織の取り組みについて三戸政和氏が紹介します。

死ぬまでの生活が保証されない今の時代

今年4月、現代ビジネスのコラムから端を発して出版となった私の初めての著作『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』は、おかげさまで13万部のベストセラー本となりました。

本書は、主に大企業と中堅企業のサラリーマンに対し、生涯を豊かに生きるための資産形成と生きがいのために、「社長になる」という新しいセカンドライフを提案する本です。

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いま、日本の中小企業127万社が廃業の危機にあるといいます。

日本企業で中間管理職を経験したサラリーマンは、中小企業のマネジメントに向いている。このままいけば60歳から65歳で引退させられてしまうサラリーマンに、廃業の危機にある数多の中小企業を買収して経営を引き継ぎ、日本経済を守ってもらいたい。

そうした思いから、本書には私がPE(プライベート・エクイティ)ファンドで行っている企業買収および事業再生のノウハウを記しました。多くの方に本書を読んでいただいたことを嬉しく思うとともに、これほどまでに「会社を買いなさい」という提案が高い関心を持って受け入れられるものなのかと、私も驚いています。

 

おそらく、この本が多くの人に受け入れられた背景には、日本のサラリーマンの心の中に、「このままで私と家族の人生は大丈夫か。死ぬまで生活は保証されるのか。実は危ないのではないか?」といった漫然とした危機感があるからではないか、と推察しています。

会社を買って、自分で経営できるかどうかは分からない。それでも、このまま何も動かないでいれば、たとえ定年まで今の会社で働けたとしても、定年後に稼ぐ手段が見つからない……。

そんな人が、ヒントを見つけるために本書を手に取っている――と感じています。

あなたに会社外での「価値」はあるのか

間違いなく、これから日本は残酷な時代を迎えます。40年間、それこそ企業の奴隷のように働いても、いまのように十分な退職金をもらうことは難しくなります。

年金支給額が下げられ、医療費は上がる。そして、社会保障はどんどん削られていく……そんな中で、60歳から65歳の若さで仕事を失い、残りの人生35年から40年もの間、貯金の底を気にしながらの生活に耐えなければならない。

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35年ローンで建てた古ぼけた家に住み、質素に暮らし、旅行にもレストランにも行けず、病気を患ってもおいそれと医者にかかれないかもしれない。要介護になっても施設に入れないかもしれない。子供達も自分の生活を守るのに必死で、老いた親の面倒など見てくれない……。

そんな暗澹たる未来しか見えない時に、「人生100年時代、これから寿命が20年延びます」と言われても、手放しで喜べるものではないのでしょう。

なぜ、そんな不安を抱いてしまうのか。繰り返しになりますが、それは、あなたがいま会社から見放されたとき、あるいは退職したときに、あなた自身で“稼ぐ力”を見出せていないからです。突き放すなら、“人材価値”を見出せていない、といってもいい。

あなたに優れた能力とスキルがあれば、いま会社を辞めても、あるいは定年退職しても、周りがほうっておかないでしょう。自分の「稼ぐ力」が分かっていれば、なにも不安になることはないのです。

 

多くのサラリーマンは生き残れない

私は前回の記事で「間もなく、サラリーマン絶滅時代がやってくる」と唱えました。会社のために、会社の言われるがままに仕事をするサラリーマンは、今後やってくる「ビジネスのポップアップ化の時代」(詳しくは前回記事をお読みください)を生き延びることができないだろう、というものです。

サラリーマン絶滅時代を迎える前に、あなたがいますべきこと……今回はその点についてお話したいのですが、端的にひと言でいってしまえば、それは「危機意識を持って」「自分の稼ぐ力はなにか」を考えることなのです。

本書の帯には、実業家の堀江貴文さんが「終身雇用は現代の奴隷制度だ」という推薦文を寄せてくれています。なんとも過激な表現ではありますが、「これからの時代、サラリーマンは企業にいいように使われて、用済みになったら捨てられる」という現実をひと言で表していると思います。

堀江さんは「早くこの危険な、サラリーマンという終身雇用制度の奴隷から抜け出さなければ、これから大変な人生が待っているぞ」という警告を発しているのです。

その堀江さんが主宰している「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」という取り組みをご存じでしょうか。私は、この大学校の取り組みの中に、「脱サラリーマン思考」を養うためのヒントがたくさん詰まっていると思っています。

たとえば前回、私は「今後の仕事は、会社という組織の中で進められるのではなく、技能をもった集団が、その都度その都度メンバーを変えて進められるものになるだろう」と書きました。この「組織の在り方」をすでに実践しているのが、「HIU」なのです。